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レールターンでスキーのスピードが減速する理由

今回は私も推奨してきたレールターンについて書いてみたいと思います。スキー技術は常にアップデートされるので、アルペンと技術選、プライズテストレベルのスキーヤー必見の内容かと思います。

レベル:基礎(プライズテスト・技術選)・競技共通

まず

レールターンってなんやねん?

という方のために簡単に説明しておきますが、こんな感じの滑りです。(再生後6分40秒からの映像)

要は

スキー板の後ろから線路のような2本のラインが出る滑り方

で、アルペンスキー選手は板をできるだけずらさないで滑るので、ブレーキ要素が少ない滑り方をするようにしてるわけです。

しかし、スキーグラフィック2025年3月号に全日本アルペンナショナルスキーチームの安食真治さんとスキー技術選で活躍してる柏木義之さんの対談が掲載されており、安食真治さんが

「レールターンは遅くなる」

とコメントしています。

詳しくは雑誌の方をご覧いただきたいのですが、今回はこの件について考察してみます。

なぜレールターンは遅くなるのか?

なぜレールターンが遅くなるのか?

その理由の1つがスキーグラフィック3月号に書かれてますが、個人的には他にも理由があるかと思うのでいくつかピックアップしてみました。

  1. 高速系種目であればポールのインターバルがあるので問題ないが、今の技術系種目(大回転・回転)では対応しきれないため
  2. 上下動を使えるのであれば使うに越したことないが、今のポールセットの傾向からターン前半から板のトップを使って、板のたわみを出すターンの方が速くなっている(ここは推測です)
  3. アルペンW杯選手のように筋力と瞬発力があるのであれば可能な限り上下運動を使いつつ、ターン前半から板をたわませていく

こういった流れが今のアルペンスキーの主流であり、全日本選手権もW杯も特にスラロームにおいては

  1. ポジション
  2. 胸の向き

この辺りは技術的にかなり差が出るのかなと思います。

ちなみに技術選の岡田利修さん(現在はジャッジ)、武田竜選手、とアルペンW杯表彰台経験者である湯浅直樹さんの滑りを見ても上記の3つを見ると差があるなと思いました。(検索で「湯浅 武田 岡田」とかのキーワードでSL動画を探すと出てきます)

もちろん、1番の理想はレールターンなんでしょうけど、そうさせてくれないのがここ数年のアルペンスキーの傾向なのかなと見ています。

レールターンが全く通用しない実例のセット

以前、下記の関連記事で

  1. ロイック・メイラード選手(スイス)
  2. 小山陽平選手
  3. 切久保仁郎選手

と捉えの違いについて動画を紹介したことがあります。

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この三人の滑ってるセットを見ても、どう考えてもレールターンというある意味「理想論」では通用しないポールセットなのがよくわかるかと思います。

これらレースに出なくても映像だけで

レールターンすらさせてくれない硬さであり、振り幅。自由の高いスキー操作がないとまず無理

というのがよくわかります。

詳しくは映像を1つずつ見ていたきたいのですが、近年のマテリアルのさらなる進化もあり、ポールセットも大幅に深回りになってます。

近年のスキー技術選もアルペンW杯をベースに進化しているので、「技術を競う競技」でもありますから、昔の美しい基礎スキーだけではもう点数が出ないのかもしれません。

「上手いスキー」と「速いスキー」は違うと思われがちですが、実際に「本当に上手いスキーヤー」は

スケートリンクのような斜面でも、振り幅あっても速くて美しいスキーをする

というのがアルペンスキーW杯からもわかります。

なので武田竜選手は以前イベントで「技術選よりW杯が上」という立ち位置を主張してましたが、個人的にも同感です。

となれば、技術選もアルペンスキー競技もレールターンだけでは今後難しくなるということになるのではないかと思います。

私は下記の深回り記事で

レールターンを使わずに加速する映像を冒頭10秒で公開

してますが、ひょっとするとこういった「自由度」をスキーに持たせたり、働かせる必要が今のスキー技術に求められてるのではないかな?と思ってます。

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もちろん、私が技術選やアルペントップ選手を分析して実際に動画にしてみましたが、基礎の世界では使えたとしてもアルペンではダメな例かと思ってます。

理由は

ジャッジから見て速く見えるトリックであり、タイムの出る滑りではない

と思ってるからです。

もちろん、タイムを計測していないので断言できませんが、少なくとも「スキーを自由にさせる」必要が今のアルペン技術ではかなり必要になるんじゃないかと思ってます。(独断と偏見です^^;)

そうでないとあの振り幅のポールセットに対応できないのではないかと思いますし、技術選でも深いターン弧でかつ加速の滑りは無理ではないかと思ってます。

あくまでも今回は「個人の考察」にすぎないので、この記事の情報を鵜呑みにしないので欲しいなーと思います。

また、色々海外の情報なども探したり、動画を見て研究してるので、気になる人はXで公開してるのでそちらをフォローしたり、YouTubeのチャンネル登録をしておいてください。

何か新しい技術情報などがあればシェアしていきたいと思います。

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基礎・競技に関係なく使えるスキー上達法についてYouTubeとブログで解説しています。用具に関する話題なども豊富にブログで書いてます。

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