- 4月 24, 2024
速報:Vandeerスキー創業者マルセル・ヒルシャー、オランダ代表でアルペンスキーW杯復帰か。ニュージーランドFISレースを計画
今日のアルペンスキーワールドカップ速報はマルセル・ヒルシャー……
Photo:FashionStock.com
昨日、アルペンスキーの歴史が大きく変わりましたので記事にしておきます。
今インゲマル・ステンマルク(スウェーデン)をW杯に復帰したリンゼイ・ボン(USA/40)が通算82勝から追い上げようとしてます。
その誰も超えられないと思われたステンマルクの86勝を最初に超えたのはミカエラ・シフリン。そのシフリンが2025年2月23日にイタリア・セストリエールでW杯通算100勝を記録しました。
その映像、女子回転のダイジェスト動画がこちらです。
映像はこちらシフリン、前人未到アルペンスキーワールドカップ通算100勝を達成しました。
昨年末の怪我からの復帰。99勝で止まってたわけですが、世界選手権後にその苦労が報われました。
いろんな要素がありますが、個人的に印象的なのは
どんなポールセット、雪質でも同じポジションで乗り続けられる能力
ではないかと思ってます。
今回の2本目のポールセットでも横幅のあるところ、縦ラインのところなど見てる方も選手の技術力の差がわかる内容でしたが、シフリンは常に一定の位置で荷重してるのがわかります。
同じアメリカのモルツィンは荷重ポイントがズレ、途中崩れる場面があったり、1本目2位のズリンカ・リュティッチ(クロアチア)は斜面変化のところで内肩が下がり、そのまま次のポールでリカバリーするためターン弧が膨れて失速しています。
スキー技術選の武田竜選手も言ってますが、アルペンW杯を参考にしてる彼も
「どんな状態でも同じ滑りができる」
ことを意識してると公言してますが、ここに関しては基礎・アルペン競技共通の話です。
フリースキーでもターンに乱れがあれば当たり前の話ですがポールでもそれはできません。
ポール規制がある状態で、自分の滑りを維持すると言うのは至難の業なのです。このことは以前、YouTubeでもセンターポジションの重要性について私が解説してるので気になる人はチェックしてみてください。
私がアルペンで一桁順位になったのもポジション変化が1番の原因だったからです。
途中のタイムなどを分析していくとよくわかるのですが、実はシフリンはワールドカップで1番速いわけではないです。
厳密に言うと
シフリンは失敗しない滑りをしてるだけ
です。
昔、元アルペン日本代表でW杯男子回転3位の記録を持つ木村公宣さんも解説で言ってましたが、
「アルペンスキーはいかに失敗を減らすかというスポーツ」
と言ってたのがすごく印象的でよく覚えてます。
特にアルペンスキーにおいては
時には「ハイレベルなずらし方」も重要ですが、基本的には「いかにズラす場面を減らすかというスポーツ」
です。
ブレーキしなければ減速はしないので、みんなどこかでズレて減速してるわけです。
シフリンが圧倒的に強いのではなく、失敗が少ない滑りを追求した結果あの滑りにな李、周囲が失敗してるというのがここ10年の女子技術系の特徴ではないかと思います。
エッジングをとにかく短くして成功したヒルシャー、ターン後半の加速にこだわった佐々木明選手などスタイルは様々ですが、シフリンは
「とにかく無駄を極限まで減らした教科書的な滑り」
ではないかと思います。
骨格や筋力、性格はそれぞれ違いますから戦略も当然変わるわけですが、シフリンの滑りはとことん
「スキーの基礎技術にこだわった滑り」
ではないかと思います。
そういった視点で見てみると、
どんな状態でも当たり前のことを当たり前にできることがいかに難しいか
がわかります。
マテリアルやポールの傾向なども考慮し、体型があまり変わっていないように見えるのが気になってますが、フィジカル数値も実は
1番脳からの信号が伝わり正確に動く筋力・体脂肪数値でキープしてるのではないか
と思うこともあります。(イチロー選手は軽いウエイトしかやってませんでしたね。バットの感覚がズレるからだそうです。筋力アップで失敗するアスリートもたくさんいます。)
滑りだけではなく、フィジカルもどう調整してるのか。
筋力も体重もそんなに変化していないように見えるのですが、技術だけでなく、フィジカルも最近気になっています。
100勝という大台を記録したシフリン。
あとは引退までにあと何勝できるのか?
非常に楽しみです。
基礎・競技に関係なく使えるスキー上達法についてYouTubeとブログで解説しています。用具に関する話題なども豊富にブログで書いてます。