2025スキー技術選ショートターンで使う深いターン弧「S字(つの字)」の滑り方を解説。なぜみんな深回りするの? PR含む

今回は前回の基礎パラレルターン小回りとベーシックパラレルターンの違いの続きを書きます。S字(つの字)ターン弧を描いてカービングターンしたい人必見です。前半は動画、全文はこの記事で解説する構成です。
こんな方におすすめ
- スキー技術選のトップスキーヤーの深回りの滑り方を知りたい方
- フルカービングターンに見せる滑り方を知りたい方
- ターン後半走らせる(加速)滑り方を知りたい人
- なぜみんな基礎スキーや技術選で深回りするのか理由を知りたい方
- 基礎スキーの技術を使いつつ、アルペンのような切れ味の深いカービングターンに仕上げたい方
こんな方にはきっと役立つかと思います。
なぜスキー技術選、基礎スキー検定は深回りをするの?

その答えはこちらのP86、P87に書かれています。
基礎スキーなので、そりゃそうだよねという要素です。
ここがアルペン(競技スキー)と違う点ですね。
2022年の技術選、2023年のデモンストレーター選考会を見ても、個人的に
なぜ基礎スキー全体で深回りになったか
がこれで理解できました。
スキー雑誌(グラフィック3月号)の中身は言えないので、知りたい人だけ見てください。
スキー技術選小回り幅5m−5.5mで速く深いターン孤を描く滑り方とは?

前回の記事でチラッと後半で見せたC字ターン孤とS字ターン孤の違いですが、結論から言うと動画の中でも言いましたが、日本スキー教程の書いてることをそのまま実践しただけです。

まだ見てない人は下記の動画または記事をご覧ください。
今回はなぜスキー教程の内容をそのまま実践したら深いターン孤になったのかを説明します。
やることはこの4つだけ

上記は2つのターンを比較したものですが、明らかにスキー板の進行方向(向き)が違います。
なぜS字ターンはもっと横向きで、かつC字ターンよりもハイスピードでターン後半の加速が生まれたのか?
その滑り方は以下の通りです。
- 日本スキー教程にあるデモのスキー板のトップ(先端)の使い方、そしてベーシックパラレルターンをそのまま導入した(滑りをコピーした)
- デモの膝の使い方もそのままコピー。正面から見たら膝が平行
- 1番と2番を連動させ、かつフルカービングからアルペンのオプションテクニックを取り入れた。
- コブの技術を使い速いターンに仕上げる。(記事後半で詳しく解説)
というだけの話です。
深回りの滑り方のコツ1:スキー板の先端からセンターまでのサイドカーブを使う

これはC字、S字ターン共通ですが特にこの日本スキー教程は
スキー板のトップからセンターまでに特徴が出てる滑り方
です。
なぜベーシックパラレルターンが生まれたのかはこの動画を見るとわかります。(生まれた理由というより、ベーシックパラレルターンをデモに説明してます)
動画はこちらMEMO:再生後、8分20秒からベーシックパラレルターンとはなんぞや?という疑問を解決してくれる説明が出てきます。
①なぜスキーのトップからセンターまでのサイドカーブを使うのか
②靭帯の問題
など。
スキー板のトップは舵取りで、車で言うハンドルなので非常に重要な部分です。
角付け(傾き)を強くし、ラインを上に切り上げていけば
- スピードをコントロールできる(フルカービングターン「レースカービング」でも可能。理由は板を横向きに変化させることで(ズラすわけではない)雪面抵抗が増えるので減速します。)
- アルペンスキー競技で言うとラインを上に修正でき、上から入ることができる。(ただし、アルペンはなんでも上から入るというのは必ずしも得策ではない。全日本アルペンヘッドコーチの安食さんはこちらのP38でターン前半の話をしています。あくまでも基本ラインの話です)
といったことが可能です。
さらにテールをずらせば、制動(ブレーキ)され暴走を防げますし、トップからテールまでスキー板をたわませればフルカービングターン(レースカービング)になるのでスピードが増します。
スキー板トップの角付けで次のターン方向を自由自在に決定でき、かつカービングスキー板だと板がたわみやすいので、カービングターンができない人は後々カービングターンを理解しやすくなるので、個人的には日本スキー教程のベーシックパラレルターンを試す価値があると思います。
ただし、これを実行するには3つの腰高ポジション(センターポジション)を使い分けていく基本技術が必要になります。
まずセンターポジションを覚えないとスキーは絶対上手くならないのでここから学んでください。(センターポジションはスキー技術で1番重要な部分です。これは基礎・競技共通です。)
深回りの滑り方のコツ2:デモの滑り(ベーシックパラレルターン)をそのままコピー。両膝平行にした。

上記の写真はベーシックパラレルターンをベースにしたパラレルターン小回り(日本スキー教程の赤部分。ダイナミックパラレルターン)を練習してる1枚ですが、影のシルエットを見ると両足平行になってるのがわかるかと思います。
なぜ両足平行にするのか?
答えは
「深回りの横移動」がスムーズに楽に移動できるから
です。
参考になるアルペンスキーワールドカップの動画から厳選するとすれば、2021年アルペンスキー世界選手権コルティナ・ダンぺッゾォ大会の男子複合スラロームでのマルコ・シュオーツのこの滑りでしょう。
技術選選手も非常に参考になる内足、膝の使い方です。
滑りの映像はこちらマルコ・シュオーツはマヌエル・フェラーの外足重視の滑りとは違い、内足の使い方が上手い選手です。両選手共に一長一短ですが、全盛期の彼の映像を見ると最低順位が9位なのは内足の使い方にもあるかと思います。(横移動がスムーズなので)
https://x.com/hide_skiarea/status/1889042416818356597特にスタート直後の4期門は深回り。基礎スキーでも役立つ部分が多いでしょう。すごく滑らかな滑りです。もちろん、彼はフェラーみたいに外足荷重で縦ラインで加速させることもしてるので、上手く技術を使い分けてることがわかるスラローム動画ではないかと思います。
https://x.com/hide_skiarea/status/1889043178327888083続き:当時の順位がこちらにあります。調子が悪くても9位という成績がいかにクオリティの高い滑りかがわかります。
2023年に靭帯の怪我をしてから2025年に復帰し低迷が続いてます。
4種目オールラウンダー転向となったので今後スラロームの技術がどうなるかわかりませんが、このスラロームの滑りは彼の持ってる引き出しを全部出したのではないか?と言っても過言ではない非常に価値のある動画です。
世界は横移動の時代になっている

2022年の小回り規制種目から
「中回りのような小回り」
に移行したわけですが、日本スキー教程のベーシックパラレルターンはこの世界的な流れの影響から来てるのではないかと思われます。
映像はこちら2022年スキー技術選で小回り規制が誕生しましたが、翌年の2023アルペンスキー世界選手権でもターン幅が異常に広いポールセットでのレースとなりましたね。
動画はこちら小回りの滑り方がガラッと変わったのは2022年の間違いでした。 規制種目が入ってからですね。以下の動画を比較するとよくわかります
このようにアルペン競技自体「横方向」が主流となりつつあり、
外足だけでなく内足も大事だよね
というのが2025年現在の世界のグローバルスタンダードになってるのだと思います。
マテリアルの変化も含め、両膝の使い方を考えないと
「スムーズな横移動はほぼ無理」
なので、私はまず素直にベーシックパラレルターンをやってみたというわけです。
深回りの滑り方のコツ3:1番と2番を連動させ、アルペンのオプションテクニックを取り入れた

もう1度この写真を比較して欲しいのですが、スキー板の向きが違うことがわかるかとわかるかと思います。
実はこれ、
アルペンスキーのオプションテクニックを使ってます。
それは、

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基礎・競技に関係なく使えるスキー上達法についてYouTubeとブログで解説しています。用具に関する話題なども豊富にブログで書いてます。