パラレルターン小回りなぜできない?3つの理由
今回のパラレルターンの滑り方は「小回りができない理由」について解説します。大回りができても小回りができないのはなぜか?練習方法を紹介します。
パラレルターン小回りには2種類ある。テールをズラすか、ズラさないかの違いとは?
このことは上記の動画再生後2分42秒から2つのターンを紹介してますが、パラレルターンには大きく分けて
- テールをズラすパターン
- テールをズラさないパターン(カービングターン)
の2種類が存在します。
全日本スキー連盟(SAJ)のバッジテスト(検定)ではテールをズラすターンを「ベーシックパラレルターン」、テールをズラさないターンを「パラレルターン」と呼んでるので受験者は名称に注意が必要です。カービングターンという検定種目がないのは「基礎スキー=横滑り」という文化がベースにあるからと思われます。たぶん・・・^^;(SAJ資格検定受検者のために2022年度P71参照)
話がややこしくなるので、ここでは全日本スキー連盟の定義を外して解説しますが、要は
- テールをズラすパラレルターン小回りは急斜面でもスピードが暴走しずらい
- 一方、テールをズラさずカービングターンで小回りすると小回りはしやすいが、初心者は急斜面や中斜面で暴走する確率が高い
といったメリット、デメリットがあります。
2つのパラレルターン小回りの動画から、練習方法はこちら
2つの「パラレルターン小回り」があるというのは、1枚の写真で比較するとこんな感じです。
テールをズラすと2級レベルのパラレルターン小回り(SAJではベーシックパラレルターン小回り)となり、テールを横向きにすることで雪煙が舞ってるのがお分かりいただけると思います。
一方、1級以上のレベル、つまりカービングターンのパラレルターン小回りになるとスキー板のテールから雪煙が舞っていないのがわかるかと思います。
これを動画で見るとこんな感じになります。特に1級以上のレベルである「パラレルターン小回り」はターン後半の抜け(加速)でグンっと前にスキーが走ってるのがわかるかと思います。
安全なパラレルターン小回りからマスターした方が初心者には怪我のリスクは少ない
安全なパラレルターン小回りの滑り方のコツを簡単に説明すると
- 後傾姿勢にならないよう、センターポジションをまずきちんとキープする。
- 外足荷重は必須
- ターンとターンの間は必ずストックをつく。その方が板がクルッと回ってくれやすいから。
- 上半身はフォールラインに向ける。(YouTubeスキーテクニックチャンネルのフォールラインとは?の動画参照)
- 1から4ができると、あとは下記の連続写真のように板のテールを横向きにするだけ
連続写真で見るとこんな感じの滑り方だと楽にショートターンが完成します。
ただ、これは小回りというより、昔のウェーデルンに近く、今風に言うと
SAJ2級のベーシックパラレルターン小回り
になります。
なので、アイスバーンでも春のザクザク雪でも安定して滑れるので実用的ではあるのですが、カッコイイ滑りかは微妙といったところです。
あくまでもゲレンデで安全に滑りたい人向けの小回りと解釈した方が無難かなと思います。
上級者にとってはリスクではないが、中級者、初級者にとって暴走しやすい今風のパラレルターン小回りの滑り方
こちらの写真が
スキー板のトップ(先端)からテール(後ろ)までたわませて滑るカービングのパラレルターン小回り
となります。
アルペンスキー競技のスラローマーだともっと機械的に膝が並行のまま下半身が動くのですが、私のフリースキーはどちらかというと競技というより基礎寄りのカービングを使ったパラレルターン小回りかなと思います。
上記で説明した「安全な方」はスキー板を横向きにして小回りすることを解説しました。
今度は
よりスピード感のあるパラレルターン小回り
となります。
滑り方としては
- センターポジションに乗るのが基本(詳しくは下記の動画1で解説)
- テールを横向きにズラすのではなく、板をたわませる(下記動画2参照)
- カービングターンの練習を緩斜面でまっすぐめのターン弧から練習する。(下記動画3参照)
動画1
動画2
動画3
この3つを見れば大体習得までの練習内容がわかります。
センターポジションがどこかわからない人はここで限界を迎えます。
上記の動画や上記の写真を見ればセンターポジションがどこかわかるのですが、これがどこなのかは実は個人差があります。
骨格や筋力によっても微妙に変わりますが、基本上記の写真の左側となります。
ですが、これはあくまでも「基本の位置」に過ぎず、大きく分けて3つの荷重ポジションが存在します。
これがどこなのかが理解できないと、カービングターンでパラレル小回りをすることがまず不可能です。
動画をじっくりと見て理解を深めていただき、そして雪上で実践しながら、
スキー板がズレないターンをする
ということをぜひ体験してほしいと思います。
なお、このズレないターンはアルペンスキーでは基本中の基本であり、ほとんどの選手がやる練習であり、ほとんどの選手ができます。
特にスピードを出すのが恐怖という基礎スキーやモーグルしかやってこなかった人は、ぜひゲレンデでアルペンスキーのカービングターンを小回りでも応用してみてください。