プルークボーゲンとは?プルークターンとの違い。どっちが早くパラレルターンを習得できるか?

プルークボーゲンとは?プルークターンとの違い。どっちが早くパラレルターンを習得できるか?

今回のプルークボーゲンのコツはプルークボーゲン(ドイツ語)の滑り方や意味、プルークターン(英語)の滑り方の違い、メリット・デメリットからパラレル習得までどちらが早いのか?という解説をします。

結論から言ってしまうと、

どっちでもいいんじゃない?

と思うのですが、この2つには決定的な違いがあります。

それは、

  • プルークボーゲンとは滑走中、スキー板を全部八の字で滑るが外側の足に体重をかけて滑る滑り方。(スピード制御型)
  • プルークターンとは滑走中、スキー板を全部八の字で滑るが、内足に重心が置かれ、外スキーへの圧力はボーゲンほどではなく、外スキーのエッジグリップが増してカービング要素を入れた滑り方(推進型)

という大きな違いがあります。

なので個人的には

スキー初心者がいきなりプルークターンをすると結構スピード出ます。スピードを出さず、安全に着実にステップアップしたい人はプルークボーゲンがおすすめ

と言っています。

下記の映像で比較するとこれだけ変わりますが、緩斜面で練習すればそこまでスピードの差が縮まるので、どちらでも良いかと思います。

ですが、いずれ中斜面や急斜面を滑るなら、スピード制御しながら滑れるプルークボーゲンから練習した方が安全性が高いです。

プルークターンには内足荷重の比率が高く、内倒による怪我のリスクがあるので個人的には教えてません。急斜面をスイスイパラレルターンできるようになってからカービングターンを教える時でも十分です。

動画で比較。プルークターンとプルークボーゲンの滑り方の違い

まずプルークボーゲンですが、上記の動画の再生後2分35秒からの映像となります。

そしてプルークターンは下記の動画が参考になります。

実際に滑ってみるとわかりますが、プルークボーゲンに比べプルークターンは結構スピードが出るので、中級者以上はやっても良いと思いますが、多くの人は暴走に感じて焦るのではないかと思います。

詳しくは日本スキー教程にあるP49にも写真があるのでご覧ください。

違いがわかりますか?簡単に言うと以下のようなイラストで滑りの違いは一目瞭然です。

上記の写真2枚をイラストにしたものですが、写真の両スキーをよーく見るとこのような違いがあるのがお分かりになるでしょうか?

要は

  • プルークターン:内足は雪面に対しフラットまたはフラットに近く、エッジがあまり効いてない状態で八の字で滑る。
  • プルークボーゲン:両スキーともV字で八の字で滑る。つまり、エッジを立ててる=ブレーキが効いてる

という違いがあります。

なので、どちらがスピードが出やすいかは一目瞭然で、雪面抵抗(ブレーキ)がある方が安全と言えます。

もちろん、教え方には個人差があるのでどちらがあなたに合ってるかは運動能力次第ということになります。

プルークターンとプルークボーゲンの練習のメリット、デメリット

パラレルターンを習得する際、どちらでも足を揃えて滑ることは可能ですが、それぞれ長所と短所があります。

初心者の方はこの違いをよく理解してから練習した方が怪我する確率を減らすことができます。

  • プルークターンとは:長所はカービングターンを低速でダイレクトで感覚を掴むことができる。一方、欠点として外側の足で綺麗にカービングで1本のラインを描ける一方、雪面からの抵抗(ブレーキ)が減るのでスピードが出やすい。過去にカービングを早期に覚えてスキー場で暴走する事故が全国で多発し、スキー検定1級で横滑り種目が登場した経緯もある。(記事最後に補足あり)
  • プルークボーゲンとは:長所は両スキーをV字で滑るので、雪面抵抗(ブレーキ)が多く、ゆっくりとしたスピードでパラレルターンの感触を掴む土台ができる。そして、雪面抵抗、つまりテールの横ズレを利用して、ゆっくりとしたスピードでシュテムターン→パラレルターンへと移行が可能(下記動画参照)一方、プルークボーゲンを先に教える欠点としてはカービングとは違うので、パラレルターンができて外足荷重などを覚えてから、プルークターンを利用し、カービングターンを習得していく流れになることが多いかも。(カービングターン習得まで時間がかかる)

個人的にはどちらの滑り方も長所、短所がありますし、レッスンまたは練習当日の雪質やその人の運動神経レベルにもよるので、この辺はスキースクールに行ってもバラバラで指導してるのが現状ではないかと思います。

例えばアイスバーンでプルークターンを教えればかなりのスピードになりますし、逆に凄く緩い斜面でエッジがしっかりと食い込む雪質であればプルークターンから教えた方がパラレルターンを覚えやすいというケースもあるでしょう。

自分に合った練習方法でパラレルターンを身につけましょう。

何度も言いますが、個人的にはプルークターンからのパラレルターンはあまりおすすめしてません

ただ、この滑り方は否定するものではなく、逆にプルークターンからパラレルターンへと展開した方が上達が早いケースがあるのも事実です。

なぜなら、

カービングスキー板が当たり前の時代、プルークターンからの方が足を揃えやすいというケースもあるから

です。

ただ、個人的には両方の滑り方を知っておいた方が良く、スピードコントロールを自由自在にできない初心者はプルークボーゲンからの方が安全にスキー場を楽しむことができると思い、今まで動画などを出してきませんでした。

2024−2025シーズンにはプルークターンからのパラレルターンをマスターする練習方法などをスキー検定に合格する方法(スキーテクニックチャンネル)で解説予定ですが、リリースした場合、このページに貼り付けておこうと思います。

補足:全日本スキー連盟(SAJ)の検定種目でもプルークターンは出てきません。プルークボーゲンなのです。また、ベーシックパラレルターンへとステップアップする仕組みになってるので、ベーシック(基礎)、つまり横滑りの要素を重視してるのがSAJの考えなので、テールを横滑りさせる、ブレーキ要素がある滑りの方が安全という狙いもあるでしょう。事実、SAJ資格検定受検者のために2022年度のP71にはカービングによる暴走事故が増えたことが書かれており、横滑りがベースにあると記載があります。

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スキーは楽しくゲレンデで安全にみんなが楽しめればそれで良いと思います。ただ、検定やアルペンなどは最低限やるべきことがあるので、ブログとYouTube、Xでそれぞれ細かくお伝えしてます。アルペンW杯・冬季五輪速報はXでやってます。スキー下手くそなので日々勉強中したことをシェアしてます。

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