パラレルターン小回りとウェーデルンの違い。昔と今をスキー動画で比較
今回のパラレルターンの話は昔のウェーデルンとの滑り方の違いをイラストと動画を交えて解説します。
まず映像を見て比較してみましょう。ちなみに使ってるスキー板は回転半径R15の中・上級者向けカービングスキー板です。
*ウェーデルン(1990年代までの主流の滑り方)
*パラレルターン小回り(再生後15秒からの映像)
これだけだとわからない人も多いかと思うので、イラストで比較すると以下の通りになります。
こういった技術的な違いがあります。
要は
テールを横向きにズラす滑り方が昔のウェーデルンで、その名残がスキー検定1級と2級の「ベーシックパラレルターン」(基礎パラレルターン)という名前で技術として残してあり、2000年以降はテールをなるべくズラさないカービングターン要素が入った。
という違いがあります。
カービングターンをもっとわかりやすく表現したものが以下の動画です。
動画の通りカービングターンとは
アルペンスキー競技のようになるべく雪煙が少ない、または全く雪煙が舞うことがない滑り方
です。
一方、昔のウェーデルンは完全にザッザとテールで雪を押し出すような滑り方であり、1回1回ブレーキをするような滑り方になります。
上記の映像の雪煙を見ると違いがわかるのですが、小さな違いがさらにあるのでさらに詳しく説明します。
パラレルターンとウェーデルンの滑り方の決定的な違い
上記ではテールをズラす、ズラさない違いということを書きました。
これもウェーデルンと今のカービング要素が入ったパラレルターンの大きな違いなのですが、もう1つ大きな違いがあります。
それは
- ウェーデルン:昔は板を横向きにして雪を押し出すような滑り方しかできなかった。理由はスキー板が長すぎたから、そうするしかなく、速く滑ろうと思ったらターン時間を短くするしかなかった。
- 今のパラレルターン小回り:昔とは違いカービングスキー板はウエストが細いので、板を傾ける(角付け)だけで簡単にスキー板がしなり曲がりやすくなった。(昔は板にグッと力を加える、または踏みつけるような動作が必要だった)
という違いがあります。
なぜ私が記事冒頭でカービングスキー板でウェーデルンができたのかというと
春の雪はすごく重く、ウェーデルンをカービングスキーで再現しやすかったから。
という理由があって、あえてあのような滑り方をしたわけです。
実はカービングのスキー板でウェーデルンをやろうと思えば、どこの斜面でもできます。
実際にアイスバーンでウェーデルンっぽく滑った映像がこちらです。
この映像の1週間前にFIS公認大会がこの斜面で行われており、最大斜度34度でカチカチのアイスバーンがまだ残ってました。
エッジを磨がないとカービングが難しく、全日本選手権のような滑りをしてもできる人は少数派。たいした動画も見られず使い勝手が悪いので、中・上級者向けの滑り方に切り替えたわけです。
要は
テールを横向きにズラし、雪を押し出すような感じで滑らせるだけ
でウェーデルンっぽく滑ることが可能です。
70年代、80年代にスキーをしていた世代の方はカービングよりウェーデルンに憧れた人も多いかと思います。
ただ、中には70代でカービングするスキーの先生も実際にいるので、今風のパラレルターン小回り(ショートターン)をしたい人は上記の動画などを参考に挑戦してみてはいかがでしょうか?
スキー検定受験する人はパラレルターンの違いを知っておかないと不合格になる可能性があります。
昔と今のパラレルターンを写真で比較するとこのような感じになります。(上が今、下が昔)
ですが、検定となるとまた細かい違いが出てきます。
全日本スキー連盟(SAJ)ではバッジテストと呼ばれるスキー検定が存在しますが、
- ベーシックパラレルターン:2024年まで基礎パラレルターンと呼ばれた滑り方
- パラレルターン
という2種類の滑り方があります。
ベーシックパラレルターンはテールのズラしを入れる、パラレルターンはカービングターンです。(1級までは要素、つまり多少ズラしても割と70点以上出ます)
ですが、1級と2級では同じ名前の「ベーシックパラレルターン小回り」が存在するので、このあたりの違いがわからず受験する人も多いので、予習してから受験するようにした方が合格率が上がるかと思います。
動画でも解説してるので、パラレルターンの違いを知りたい人はご覧ください。他にもyoutubeのスキーテクニックチャンネルでは検定対策動画やパラレルターン練習方法を解説してるので気になる人はチャンネル登録しておいてください。