- 10月 19, 2023
2023アルペンW杯ゾルデンGS開幕決定。フッ素問題どうなる?オデルマットは昨年全レース違反で本来ノーポイントのはず。
今日はFISアルペンW杯関連情報となります。Xの方で速報でお……
今回のsnowweb.jpスキー上達方法とコツは強風で中止になった2023ゾルデン男子大回転の技術解説と仮タイムリザルト(幻)、代替レースなど最新情報を追加してお伝えします。W杯ゾルデン男子GS上位選手の動画もリザルトの手前にあります。
アルペンスキーワールドカップ2023−2024が女子大回転で開幕し、同時にブラーテンの引退発表もあり波乱の幕開けとなりました。
関連記事:引退のブラーテン、他国から出場か。23/24ゾルデン開幕戦女子大回転のリザルトと技術解説
色々情報があるので目次からお好きなところをご覧ください。
女子は開幕しましたが、男子は開幕したような、してないようなモヤっとした感じ・・・。結果、1本目でレース自体そのものがキャンセルとなりました。原因は強風で47番の選手スタート後にレースはそのまま終わりました。
J-SPORTSのアナウンサーが30人ゴールしたらレースが成立すると話してましたが、FISは公平性を考慮しレース自体を白紙にしておりリザルトも一切出さないという決断をしました。
この結果、日本から出場した
54番:加藤聖五選手(野沢温泉SC) 67番:若月隼太選手(GALA湯沢SC)
のスタートもありませんでした。
悪天候も想定しスタート地点も下げられ、それでも強風。一時中断で天気が回復するのを待ちましたが、最終的に強風が収まらず、公平性に欠けるとして47名の選手の結果も無効となり、キャンセルとなりました。
代替レースは当初同じオーストリアのグルグル(男子回転開幕戦)が候補に上がりましたが、FIS規定によりGSの開催地でないとダメということでまだ模索中です。
大会自体が中止となったことで、レースリザルトも存在してないので国内・海外向けにまずは幻のリザルトを掲載しておきます。ちなみに上位2名はマルコ対決となり、オデルマットではなくシュオーツの方に軍配が上がりました。(記事後半で技術解説)
RANK | NAME | TIME |
1 | Marco Schwarz(AUT) | 51.85 |
2 | Marco Odermatt(SUI) | +0.29 |
3 | Alexis Pinturault(FRA) | +0.46 |
4 | Henrik Kristoffersen(NOR) | +0.59 |
5 | Gino CAVIEZEL(SUI) | +0.95 |
6 | Alexander STEEN OLSEN(NOR) | +1.36 |
7 | River RADAMUS(USA) | +1.41 |
8 | Manuel Feller(AUT) | +1.43 |
9 | Rasmus Windingstad(NOR) | +1.55 |
10 | Stefan Brennsteiner(AUT) | +1.6 |
11 | Filippo DELLA VITE (ITA) | +1.63 |
12 | Filp Zubcic(DRO) | +1.73 |
13 | Thbaut Favrot(FRA) | +1.74 |
14 | Thomas Tumler(SUI) | +1.86 |
15 | Zan Kranjec(SLO) | +1.95 |
16 | Patrick Feurstein(AUT) | +1.99 |
17 | Luca DE ALIPRANDINI(ITA) | +2.03 |
18 | Sam Maes(BEL) | +2.38 |
19 | Tommy ford(USA) | +2.39 |
20 | Raphael Haaser(AUT) | +2.57 |
21 | Joan Verdu(AND) | +2.62 |
22 | Justin Murisier(SUI) | +2.65 |
23 | Victor Muffat Jeandet(FRA) | +3.16 |
24 | Matheu Faivre(FRA) | +3.35 |
25 | Hannes Zingerle(ITA) | +3.36 |
26 | Stefan Hadalin(SLO) | +3.78 |
時間があれば区間タイム別のランキングデータで技術解説をしたいと考えてますが、まずは上位の技術の違いについて解説します。J-SPORTSでも再放送されてるので、ぜひ録画して下記の技術解説をご覧ください。
訂正:確認したらJ-SPORTSはゾルデン枠で昨年のアルペンW杯放送やってました。なので日曜日の生放送を録画した方のみご覧ください。なぜか佐々木明選手がリポーターではないのに現場からリポーターやってる貴重映像でしたね。J-SPORTSさん、放送できるなら1本目だけでも放送してほしいです。シューオーツの滑り見る価値ありますよ。
気づいた方も多いかと思いますが、カメラマンもわざと回したのか?クリストファーセンのスキーブーツが思いっきり映り世界中で話題になっています。
私はてっきりブーツにもテープが貼ってあったので
あーFIS規定の「二重ブランドロゴ掲載禁止」ルールに触れるから、レッドブルだけでなくラングロゴにもテープ貼ったんだなー
という曖昧な記憶でJ-SPORTSの生放送を見てたのですが、翌日にこの理由についてのニュースがありました。(写真あり)
というわけで、金の切れ目が縁の切れ目と言いますか、完全にクリストファーセンは契約上ロシニョールグループとの縁が切れてたようです。
ブーツの開発期間を考えれば春から夏にかけて契約終了になったのかもしれません。
メーカーのマテリアルチェンジ期限が5月31日くらいだったはず
Vandeerはまだスキーブーツ開発を始めたばかり?のようなので、急遽ゾルデンに間に合わせるためブーツを作ったそうです。ただ、デザインがまだ追いつかなかったのか、レッドブルまたはラングロゴがまだある状態で?レースに臨んだのかわかりませんが、テープで隠してありましたね。(鹿ロゴの位置なのでレッドブルの可能性が高いかなー。今シーズンもレッドブルロゴ隠すと言ってたので。)
こちらも要注目ですね。
これはあまり知られていないことですが、ゾルデンの開幕戦で実は道路が20分封鎖されたとの報道が出ています。
これに対し、元アルペンスキーW杯王者のベンジャミン・ライヒ(AUT)もコメントを出しています。
難しい問題なので、いろんな意味で今後考えていく必要がありそうです。
ライヒの主張としては氷河の面積とスキー場の面積が違いすぎて環境に影響があるか?ということを言いたいのかもしれません。
国際スキー・スノーボード連盟(FIS)にとって環境問題は急務の問題ですが、できることはすぐ実行し、エビデンスに基づかない根拠のない主張などに対しどう行動すべきかも今後全日本スキー連盟も含め検討していく必要があるでしょう。
参考:速報:FIS/SAJ公認大会でフッ素スキー・スノーボードワックス不使用でも失格になることが判明。正確な測定器がまだない?
植樹活動なども国内で進んでるので評価すべき点もありますが、閉鎖されたスキー場に木を戻すなど、1972年の札幌オリンピックのためだけに作った北海道支笏湖スキー場のようなことにならないよう監視していくことも重要かと思います。
道路を封鎖というパフォーマンスではただの迷惑行為にしかならず、環境活動のイメージが逆に悪くなるケースも多々あるでしょう。
大人な対応というか、世界中から人が来てるのでSNSでも「悪い意味」で拡散される可能性もあります。
建設的に話を進めてもらいたいなと思います。
さて、ここから本題に入ります。
2023年のゾルデン男子GSのリザルトは上記に記載したとおりです。上位2名で「マルコ対決」となったわけですが、やはり今回見ていて1番驚いたのは
2023−2024シーズンから4種目エントリーのオールラウンダー、シュオーツの調子の良さ
でしょう。
オデルマットは3種目のみ。
スラロームは成績がFISレースの時代からまったく振るわなかったので、オデルマットがスラロームの練習を今後しないのはほぼ間違いないことでしょう。なので、パラレルスラロームや他の3種目で勝負せざるおえないのがオデルマットの最大の弱点です。
ただ、そのオデルマットの得意種目である大回転(GS)でも勝てない可能性がゾルデンの開幕戦から見てもハッキリと見れました。今回はシュオーツのその強さの要因を実際のターン位置などを含め解説してみます。
具体的に映像(動画)で見てほしい箇所は以下の部分です。
スキーは楽しくゲレンデで安全にみんなが楽しめればそれで良いと思います。ただ、検定やアルペンなどは最低限やるべきことがあるので、ブログとYouTube、Xでそれぞれ細かくお伝えしてます。アルペンW杯・冬季五輪速報もやってます。