ヒルシャー、ゼルデン欠場の可能性。SAJの2024新・日本スキー教程でバッジテストはアルペン寄りになった印象
今回のアルペンスキー&基礎ネタは目次の通りです。お好きなところをご覧ください。
マルセル・ヒルシャー(オランダ)、ゼルデン欠場の可能性
ヒルシャーは「ゼルデン出る出ない」で話題になってますが、個人的には
ヒルシャー復帰の需要がそこまであるのか疑問。楽しみではあるけど、鳴物入りのワイルドカードでブランドイメージを下げる行為にならないか心配・・・
と思ってます。
参照:https://x.com/hide_skiarea/status/1843558806401495052ヒルシャーがゼルデンで復帰する可能性は50%くらいかもしれません。
理由は
①レーススピードでの練習(フルワンピーなど)が不足
②板の素材がまだ納得していない
③気管支炎で体調崩し、トレーニングが遅れてる。
この3つから10月の復帰はまだ未定だそうです。
https://x.com/hide_skiarea/status/1843560948352856387続き:ちなみにこちらの記事ではゼルデンでのヒルシャー復帰の可能性は低いと言ってますね。まあーあまり期待しない方が良いかもですね。 ラインが下なので、緩斜面、中斜面が多い場所を選定するのではないかと個人的には予想しています。
GSもSLもインスタの動画を見る限り、ラインが下で荷重のタイミングが一昔前の滑りといった印象を受けます。
日本スキー教程のP71にも出ていますが、オデルマットをはじめ、競技はもちろん、基礎の世界でもターン前半からの荷重、捉えの速さが重要視されています。
SLもそうですが、GSのR35のスキー板は90年代に近いまっすぐな板で、きちんと板をたわまるスキー技術がないとポールの下で後手後手のターン弧になり、タイムが遅れます。
オデルマットと他のスキー選手の滑りの決定的な違いは、ターン始動の速さであり、実際に彼の腰のポジションは異常に高い状態を保ってるので、誰よりも早く切り替えし、上から荷重していき、ポールを過ぎたらターンが終わってます。
この滑りは昔からのオーソドックスな滑り方であり、アルペンスキーの基本中の基本です。
短いエッジングで瞬間的に圧をかけるヒルシャーの滑り方が今の時代通用するのか個人的は疑問ですが、彼の性格やプロモーションも兼ねた復帰ということを考えると、表彰台に絡む場所を選ぶのではないかと見ています。
https://x.com/hide_skiarea/status/1843197785388253268オーストリアの会長はヒルシャーに対し
「ゼルデンの坂得意じゃないんだから、無理して出なくてもいいんじゃない?」
と助言したようで。
ヒルシャーは板の素材に納得していないというのも欠場するかもしれない理由の1つとして挙げているようですが、彼の得意なブルガリアのバンスコに似た斜面を選んで復活してくるのではないかと私は見ています。
FISはすでにヒルシャーのゼルデンに関しては承認してますが、果たしてワイルドカードを使うのか。
オデルマットは急斜面があればより有利なポジショニングなので、ヒルシャーにとっては不利かもしれません。
果たしてどうなるか注目です。
新・日本スキー教程発売。どこがどう変わった?
日本スキー教程が2024年10月7日の月曜日に発売されました。
レビューなどは後日改めて記事をアップしたいと思うのですが、とりあえず大きな変更点をザッと挙げておくとこんな感じです。
https://x.com/hide_skiarea/status/1843192620681707650日本スキー教程買いました。
まだざっくりとしか見てませんが新しいスキー用語として
①ダイナミックパラレルターン(テククラレベルのカービングのこと)
②旧パラレルターン大回り小回り→新:パラレルターン大回り小回りの後ろに「カービング」がついた
という点。続く
名前が変わったりしてますが、写真を見る限りバッジテスト2級と1級で使うベーシックパラレルターン(以前の基礎パラレルターン大回り・小回り)の滑り方もカービング要素が若干強くなってるのかな?という印象があり、雪煙が少ないのが印象的です。
実際、2024年2月の2級検定受ける際もカービング要素は使ってOKと事前講習で言われたので、
えっ!?2級の段階でカービング要素入れていいの?
と思ったのですが、写真を見るとSAJの流れも10年近く経った教程から実はマイナーチェンジしていたのかな?と今回の本の滑りを見て思いました。(マイナーチェンジはあくまでも個人の予想です・・・^^;)
よく言われるのはカービングスキーは2000年からと言われてますが、本来は90年代初頭からありましたし、アルペンの世界では昔からズラさないで滑るのが基本です。
基礎パラレルターンという言葉が浸透したのに、なぜ横文字にしちゃったのかな?と思ったりもしますが、日本人のスキーヤーが減ってインバウンドなどを考え、外国の人の検定受験が増えることを考えれば、英語のベーシックパラレルターンの方が言葉としては使いやすいというのもあるのかもしれません。
テクニカル・クラウンレベルはアルペンの要素が強くなった印象
また、以前から動画でも指摘してきた通り、肌感覚ではありますが
よりアルペン要素が強くなった印象
です。(まだざっくりとしか読んでないので^^;)
検定員から聞いた話はyoutubeのスキーテクニックチャンネルでも語ったので、貼っておきます。
アルペンの競技人口も減ってるので、
SAJの本当の狙い
- 基礎からアルペン
- アルペンから基礎
でDEMOモデル、アルペンモデルの両方の売り上げにもつながり、SAJの会費、大会やスキー場の維持などにもつながるので、アルペンと基礎の連携は今後も強化されていくと思われます。
結局、スキー場のリピーターとなるのはほとんどが急斜面を滑れる上級者なので、こういった客層を増やすことがスキー文化の成熟につながるので全日本スキー連盟の立場としては当然とも言えます。
ただ、SIAのオフィシャルメソッドを見ても分かる通り、非常によくまとまっていてアルペンから基礎まで全部1冊にし、かつ流行り廃りのない内容になってるので、こういった濃い一冊にしてほしかったなーというのが個人的な感想です。
というわけで、新しくなったスキー教程を元に、今後も基礎と競技の技術的な話を今後もsnowweb.jpでしていくので、気になる人はSNSをフォローしておいてください。