スキー検定の小回り切り替えは3パターンある。1級と2級、テクニカル・クラウンの違いを解説
今回のスキー検定の話は小回りの切り替えについて深掘り解説します。結論から言うと3種類あります。
こんな方におすすめ
- 小回りの切り替えを速くする方法を知りたい方
- 上級者の切り替えがなぜできるのか?そのプロセスを知りたい方
- 2級、1級、テクニカル・クラウンではどう切り替えが変わるのかを知りたい方
こんな方にはきっと役立つかと思います。
小回りの切り替えには3種類ある
まずザックリ違いを比較するとこんな感じです。
- 2級は切り替えの時は上下動必須、スキー板は横向きの小回り
- 1級は上下しつつも頭はあまり動かさない。テールは横向きでも、ターン前半はカービングが理想の小回り
- テクニカルやクラウンは上下の動きがない。理由はスピードで上下の動きなしで板がたわみ、カービングのパラレルターン小回りが可能なため
と1から3番に向かってレベルが中級者、上級者へと小回りの切り替えのやり方がかなり変わります。
また、全日本スキー連盟(SAJ)のスキー検定では
- ベーシックパラレルターン小回り
- パラレルターン小回り
の2種類があり、小回りの切り替えの仕方にも変化が必要です。
具体的に1つずつ解説していきます。
スキー検定2級の小回りの切り替えのやり方
スキー検定2級は上記の写真の通り、かなりスキー板を真横にする感じで滑ります。
実際に映像を見た方が早いかと思うので、下記に動画を貼り付けておきます。
上記の動画の再生後1分15秒から出てきますが、これを
もっとゆっくりに2級本番では滑った感じ
で65点の合格点以上の加点をもらいました。(参照:https://www.instagram.com/p/C3g9aAyLac0/)
滑り方自体はほとんど変わっていないので、切り替えのポイントを解説すると
2級レベルの小回りの切り替えのやり方
- ガッツリ外足荷重(内足に乗らない)
- ターン前半から外足を押し出す昔のウェーデルンのような滑り方
- カービングターンにならないよう、スキー板をトップから角付けしない。
- サイドカーブは使ってない
と言った切り替え方となります。
別の言い方とすると
1ターン1ターンがブレーキしながら、スキー板を横向きにして滑る感じ
です。
ウェーデルンという滑り方は1990年代まで存在した滑り方なので、当時の滑り方を知らない人は下記の動画をご覧ください。
スキー検定1級の小回りの切り替えのやり方
今度はさらに1つレベルが上がって1級の小回りの切り替えについて解説します。
過去にこんな動画も作ってますが、1級と2級の小回りの最大の違いはいろんな意見があるかと思いますが、代表的なものの1つに
「スキー板のたわみ」
が本格的に入ってくる点でしょう。
では、切り替えにフォーカスした場合、どう2級と変わるのか?
ポイントをまとめると以下の通りです。
- ターン前半はスキー板の先端(トップ)を雪面に設置させ、カービングターンで入る(理想)
- スキー板のトップが雪面と接地して角付けするとサイドカーブ(エッジ全体)でターンのラインが少し上向きになる(C字のターン弧からS字に近くなる)。いわゆるカービングを使うが、フルカービングターンは69点扱いなので3番のスライドを使う。
- かといって「ベーシックパラレルターン小回り」と1級検定種目名なので、テールで2級で使った横滑りを使う。(テールをスライドさせる)
- 切り替え時の上下動は2級より上下幅が少ない(頭を上下に動かさない。上に力が逃げないようにする)
- 上に力を抜かず、そのまま雪面からきた反発エネルギーで、スキー板をすぐに次のターン方向に向ける
- スピードが出てくるので上半身はフォールラインをキープ
とまあ、文字に起こすとこれくらいの作業量を1秒で処理する運動能力が必要になります。
このレベルを簡単にやってしまう人種がアルペンスキーヤーですが、選手経験者は1級は練習しなくても合格する人がほとんどかと思います。
なぜならターン処理能力を上げるために、脳(パソコンでいうCPU)を夏場にアップデートさせるために、
- 持久力
- 筋持久力
- 瞬発力
- 神経系トレーニング
を全てこなし、食生活からトレーニングメニューまで神経伝達を速くするための生活をしています。
1級まではそこまでの能力は必要ないですが、次に説明するテクニカルやクラウンは結構体力レベルに比例するのではないかと思います。
プライズテスト(テクニカル・クラウン)の小回りの切り替えとは?アルペンと技術選の滑り方の違いも解説
テクニカルやクラウンの検定種目名は「ベーシック」が外れ、「パラレルターン小回り」となってますが、要はこれが
「ほぼフルカービングターン」
となります。
基礎スキーのプライズテストの小回りの切り替えは以下の通りです。
- 1級と同じくターン前半の捉えを速くするため、トップの角付けを強めにする(C字ではなくS字ターンにするため)かといって、緩い雪質の場合、角度がありすぎると内倒するのでそこは調整。
- 1級と2級の大きな違いは上半身の上下動きが少なく、雪面の反発力(圧)を次に生かすため、足がアルペン競技のような伸ばす感じ(伸展加圧)ではなく、足を横から見た場合「くの字」にする屈曲加圧(正確にいうと伸展加圧も使う)気味に滑って、次のターンに入る。(その方がビジュアル的にカッコイイからかは不明)
- 基礎スキーはタイムを競うスポーツではないので、屈曲加圧でカービングスキー板がたわむので上下の動きは下半身で行う。
- カービングターンになってくるので、いわゆる横滑り要素がないためベーシックパラレルターン小回りよりもハイスピードでの切り替えの連続。跳ね返ってきた雪面からの力をそのままスキー板を横にずらさず、2本のラインができるイメージで荷重する。
- スキー板を横に向けることなく、エッジtoエッジでスキー板の滑走面を雪面につけないと言ったら嘘になりますが、ずっと角を立てて滑るカービングターン。切り替え時もエッジからエッジという感じで滑る。
といった違いが出てきます。
正直、この記事を書いてる時点の私の資格は1級で、テクニカルの点数は分かりません。
一応、テクニカルの練習も少しやってたのでその映像が下記に出てますが、実際ターン後半加速してるのが比較動画からよくわかるかと思います。
再生後2分から比較動画が出てくるので、よくわかるかと思いますが、右側の滑りはパラレルターン小回りを意識した滑りです。(ターン幅は真っ直ぐ気味ですが)
アルペンスキーと基礎スキーの違いはいろいろありますが、基礎スキーは理由はわかりませんが
- オデルマットのような外足を伸ばす伸展加圧ではなく、足を曲げる屈曲加圧
- 基礎は上下の動きをアルペンほど使わない(これが謎ですが・・・。多分見栄えの問題かと・・たぶん)
といった大きな違いが切り替え時に起きるので、検定とアルペン競技の両方やる方はこの点に特に注意して滑ってほしいなと思います。
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スキーは楽しくゲレンデで安全にみんなが楽しめればそれで良いと思います。ただ、検定やアルペンなどは最低限やるべきことがあるので、ブログとYouTube、Xでそれぞれ細かくお伝えしてます。アルペンW杯・冬季五輪速報もやってます。