スキーの急斜面で丸い孤を描く方法(1級・2級検定向け)。コツはテールで重力を利用したズレのスピードコントロール
今回のスキー上達方法とコツ。SAJバッジテスト合格・不合格の違い、1桁順位を獲得したアルペン練習のコツは「ズラし方」と「丸い弧」を大回りと小回りで描く方法を詳しく解説します。
まず、丸いターン弧をきちんと描くには以下の動作が必要になります。なお、合格・不合格者の違いはこちらにある本の検定受験者をベースに解説します。
今回はこの4つのコツを詳しく解説します。ちなみにこの滑り方できると
こういったメリットがあります。
カービングで滑っていけない箇所などでは非常に有効です。
なぜ全日本スキー連盟(SAJ)は1級まで丸いターン弧を推奨するか?
スキー雑誌などでは上級者向けに「C字」とか「S字」ターン弧という言葉が出てきますが、ここで言うのは
丸い弧=C字
となります。
S字ターンとC字ターンって何が違うのかというと、要は
という特徴もあります。(ここではS字ターン弧は割愛します。別件で上級者向けの動画などで解説予定です)
参照:スキーグラフィック2024年1月号にはP89に2級合格者で「丸い孤」を描いた人が加点された連続写真が出てます。(点数は66点)
もちろん、Cの形をしたターン弧でもスピードは出せるのですが、テールをズラすことでスピードが落ちるので急斜面とかも安全に滑れるオーソドックスなターン弧がC字となります。
スキーの基本と言っても良いでしょう。
では、実際にどのように滑れば急斜面や中斜面を安全に滑るのか?
2枚のイラストで説明するとこんな感じです。
スキー初心者が足を揃えて滑れるレベルになって急斜面を安全に滑る場合、1番と2番の滑り方が基本となります。
スピードを制御する場合、上記のイラストに「ズレ幅」と書いてますが、急斜面を安全に滑りたい人ほどズレ幅を出すとスピードが一定または、スピードを落とすことが可能となります。
上の画像で言うと1番と2番の赤点線にある「ズレ幅」を増やすとより安全に暴走せず急斜面を滑ることが可能となります。要は急斜面は重力で下の方に落ちるので、その落下を利用するということになります。(ボールを坂道で転がすとコロコロ転がりますよね。スキーも下方向に落とされるのでそれを利用します。逆にアルペンスキー選手はタイムを競うので、このズレを完全に無くす、またはできる限りなくす努力をしてます。ズレてる時間がある分だけスピードが遅くなるからです。
なので、スキー検定(バッジテスト)2級まではこの「ズレ幅」がある方を求められます。もちろん、1級みたいにズレ幅を減らせば加点(66点以上)になりますが、2級は特に暴走しない安全な滑りの技術の方を重視されます。
1級と2級ではターン後半のズレ幅が違う
2級は全日本スキー連盟(SAJ)の見本動画を見ても一目瞭然ですが、下にザザザとズレが生じるターンをわざわざデモンストレーターのスキーヤーが行ってます。
一方、1級の見本動画を見ると下にそこまでズラすことがありません。
こちらがSAJ2級の見本滑走動画です。2級は板を横に向けるスピード制御、いわゆる「テールのズラし」がよくわかります。
https://twitter.com/hide_skiarea/status/1753481654424015354
一方、1級になるとズラしの要素が減ります。
https://twitter.com/hide_skiarea/status/1753481900185063558
なぜ「基礎パラレルターン小回り」という同じ名前なのに1級と2級では内容が違うのか。理由はいくつか考えられますが、1番の理由は
「安全に滑る技術を1級まで求める」
のではないかと見ています。
一方、1級より上のテクニカルとクラウンはズラす滑りではなくカービングテクニックになるので、スピードがある状態でのスピード制御が求められる別次元設定です。なので名前も級別ではなく「プライズテスト」になるのでしょう。(たぶん)
1級はその前段階なので、「基礎」がつかない「パラレルターン大回り」が設定されているのではないかと見ています。
どうやって丸い弧を描けるのか?
詳しくは記事冒頭の動画で全部語ってるのでそちらをご覧ください。
要は記事の前半に書いた通り、
こういったことがポイントとなります。
1級と2級の合格ポイントについては下記の動画でも特集でやってるので、こちらも参考にしてください。
これがカービングターンだと
といったことが必要になりますが、安全に滑りたい、または1級や2級を受験する人は
という滑り方が無難にどこでも安全に滑れる滑走方法になります。
ズラしのテクニックでも十分見栄えの良い滑りに見えるケースもあるので、どちらを選択するかはあなた次第です。
丸い弧をなかなか描けないという人は動画を何度も見ていただければコツを掴めるのではないかと思います。
参考になれば幸いです。