今回のスキー上達方法とコツは最大斜度37度の急斜面でのカービングターンテクニックを解説します。
今回はこちらの投稿を深掘り解説します。なお、上記の動画とセットでご覧いただけるとより理解が深まるかと思います。
急斜面でのカービングターンのコツ
①外足荷重または両足荷重
②両スキーで角付け
③雪面から叩かれラインが下がるので、トップからエッジを食い込ませる。
④内傾角は結果であり、自分から倒さないこと。
https://twitter.com/hide_skiarea/status/1756147115502584052
ちなみにこれらの動作は全てスキー上達方法とコツの有料部分にある「どうしても腰高になれない人はどうすればいい?カービングターンを身につける方法」に書いてありますが、これができて初めて上記の4つができます。
動画解説が上記の後半にある斜度11度での練習に出てるので、両方を見て練習に取り組んでください。
ポジションが悪い人はどんなに努力しても良いターンはできません。
急斜面と緩斜面では腰の位置が変わる。やり方は人それぞれ。
ここからは動画の内容に付け足す形で説明していきます。
動画内でも説明してますが、上記の写真の通り、緩斜面と急斜面では腰の位置が違います。
以前、スキーテクニックチャンネルで3つの腰高ポジションがあると解説しましたが、下記の動画を見るとわかりますが、急斜面ではハイポジションにしています。
逆に緩斜面ではLOWポジションになってますが、これを急斜面でやってしまうとスピードがあり、かつその影響で反発力が凄いのでスキー板のトップ(先端)が浮いて転倒してしまうリスクが上がります。
もちろん、リスクを取ってミドルポジションまで使っても良いのですが、今回は大会ではないですし、ゲレンデも綺麗な整地ではなかったので最も安定したポジションにしました。
これが全日本スキー技術選の八方根ソデクロように最大斜度が32°くらいしかないのであれば、もっと広く使って大回りしても良いのですが、実はコース脇にはモーグルコースがあるので、そこまで大きなターン弧はできなかったのです。^^;
なのであのターン幅が限界かなーと思い、事前にインスペクション(コース下見)でターン構成を考えた結果、動画のようなターン弧になってます。
最大斜度37°、平均斜度22°だとターンで落とされる。それを最小限にするには?
上記のSNSで言った通りなのですが、トップからしっかりエッジを食い込ませる必要が出てきます。
そうでないと
急斜面部分で上記の写真のような2本のラインを出すのは非常に難しいのですが、4番を意識しながら滑るようにします。
もちろん、重力で落とされやすいですから外足8対内足2の割合で荷重を目指しますが、これが9対1くらいになったりもします。
こればかりはコースコンディションにもよりますし、テクニカルやクラウンなどのプライズテストを受ける人は微調整がさらに必要でしょう。
スキー検定を受験される人は
をよく考え、どういったターン弧を検定員が望んでるのかを想像しながら滑りましょう。
検定を受けないで、カービングターンだけマスターしたい人は、今回の解説を元に練習で習得していけるはずです。
基本、腰の位置がすごく重要なことは1級、2級レベルから変わりません。
これからカービングターンに挑戦する初心者の方は、記事冒頭の動画後半の練習方法が1番マスターしやすいでしょう。詳しくは「スキー上達方法とコツ」にもカービングターンのことが書かれてるので、両方読むと理解が深まるかと思います。
カービングターンでは滑走面はほとんどつけない滑り方になる。
記事冒頭の動画でもこのイラスト解説が出てきますが、カービングターンは
エッジtoエッジ。滑走面はほとんどついていない
と言ったら嘘になりますが、過言ではないです。
エッジを立てた状態からすぐエッジを立てる。
そんなイメージで滑ってます。
でないと、記事冒頭のカービング初心者向けの練習動画で2本のラインが出てきません。
もちろん、雪が多ければ滑走面に雪面が当たったりしますが、
スキー板は常に斜めの状態
という感じです。
唯一滑走面がフラットになる箇所(上記のイラスト左側)はターンとターンの間くらいでしょう。
そういったイメージで滑ってます。
なお、アルペンスキー競技でエッジを立てすぎると雪が柔らかい時、特にブレーキ動作になる場合があるので、出来る限りターンしてる時間を短くする必要があるので、腰の位置がハイポジションではなく、ミドルくらいで常に設定されるのが理想です。(技術選の決勝レベルもそんな感じです。)
ポールインターバルがあるならハイとミドル、ハイからLOWをセットや斜面によって使い分け、ターン後半の加速を1ターンごとに加速する必要もあります。
この辺のことはスキーテクニックチャンネルで別動画解説を検討中です。
カービングターンの練習は色々ある。緩斜面でまず低速からやることの重要性
カービングターンには色々練習方法があります。
- ストックを持たず、両方の膝に手を当てて、膝を並行にして両エッジを使う練習
- 全くカービングターンをやったこととのない人なら1ターンだけ外足だけでエッジを立てる練習
- 座ってカービングターンをイメージする練習
この辺の練習方法はYouTubeにゴロゴロ動画が転がってるので検索して見てみましょう。
私の場合はこういった練習もしたことがありますが、基本、記事上部の緩斜面での練習方法でした。
この練習で
カービングスキーの時代になる前からカービング要素を学んだ
ので、いわゆる1990年代のノーマルスキー時代から「スキー板をズラさない」のはアルペンスキー競技では当たり前でした。
腰高のクローチングからだと両スキーに均等に荷重できるのは昔からでしたし、R30やR15、R11でもそれは変わりません。
実はこの練習方法は今のカービング基礎練習でも使えますが、ノーマルスキー時代からあったものです。
1998年にこの練習をしてからアルペンのGSで一桁順位になっていきましたが、この練習は今でもカービングターンができない人にも有効です。
「棒立ちクローチング」はズラさないで滑るアルペンスキーの基本練習ですので、興味のある方はぜひ基礎スキーでも使える練習なので試してみてください。
2025年以降はまたR35の時代に戻るかも。アルペン競技、基礎・技術選大回りマテリアルルール変更は近い?
最後に余談ですが、2023−2024アルペンスキーワールドカップはまた怪我人が多く出た年で、これがジュニアレベルでも世界的に多発していることが今、国際スキー・スノーボード連盟(FIS)で問題視されています。
アルペンW杯だけでなく、ジュニア世代でも怪我人が増えているようです。 現在のR30ルールからまた変更になるかもしれませんね。R35に戻りそう・・・
https://twitter.com/hide_skiarea/status/1755411773073850877
特に気になるのが内倒角がキツくなってきて、振り幅のあるターンが続くと膝への負担がかなり若い人中心に増えてるのではないかと感じてます。
また、地球温暖化の影響で人工雪での大会も増え、エッジが引っかかるような雪、必要以上に凍らせるバーン問題など原因は色々ありますが、スキーでの怪我がほとんど私はなかったので(記憶喪失くらい)、結局高速でも安全に滑るには
しかないと私は考えます。
かっこいい滑り、速い滑りを目指すのも良いのですが、大会に出る人、出ない人関係なく安全に滑れるマテリアル開発やルールを進めてほしいと思います。
FISが怪我予防の研究とかしてもこの状態ですから、研究しても無駄に経費が嵩むだけではないかと思います。
選手レベルならみーんな知ってるでしょうし、ターン弧の問題は各国スキー連盟の直近の解決すべき問題でしょう。
深回りばかりやってたら体はどうなるのか。
皆さんもよーーく考えて滑ってくださいね。
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スキーは楽しくゲレンデで安全にみんなが楽しめればそれで良いと思います。ただ、検定やアルペンなどは最低限やるべきことがあるので、ブログとYouTube、Xでそれぞれ細かくお伝えしてます。アルペンW杯・冬季五輪速報もやってます。