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スキーにおける急斜面の滑り方は色々ありますが、大きく分けると3つに分類されます。
スキー急斜面の滑り方
- テールをズラして滑り降りる安全な滑走方法(一般向け)
- カービング要素を使って素早く動いて滑る方法(検定・技術選向け)
- フルカービングでスピードを最大限まで上げる方法(アルペン競技)
もちろん、アルペン競技でもオプションテクニックとして1番と2番を使うケースがありますが、競技の場合基本は3番となります。
1番から3番にかけてスピードが上がるわけですが、3番の滑り方は深雪などでは使わないので圧雪が基本であり、
急斜面の滑り方は雪質によって変えるべき
というのが一般のスキーヤーへの適切なアドバイスとなります。
今回は「安全に急斜面を滑るズラす滑り方」にフォーカスして解説します。
スキーのズラし滑り方には2種類ある

まず急斜面でスキーをズラす滑り方には2種類あります。
詳しくは日本スキー教程(2024年10月発売のもの)に連続写真で解説されてるので、これを急斜面で使って欲しいのですが、
2種類のずらし方
- 急斜面初心者向けのパラレルターン横滑り(P90)
- 中級者・上級者向けの1番のズレを応用したパラレルターン小回り(P94)
が本の中で解説されています。
本には急斜面に特化した解説をしてないですが、中斜面から急斜面を安全に滑る方法としてこの2つの滑り方が有効となります。
横滑りのズレを使った急斜面を滑り降りる実際の動画
上記の動画再生後1分45秒のところから急斜面初心者向けの横滑りの板のズレを利用した滑走方法が出てきます。
この滑りは
- 急斜面を八の字で無理やり滑り降りるスキー初心者
- 急斜面を足を揃えて滑るのが苦手
という人向けで、レベル的に初めてスキーで急斜面を滑る人向けの滑り方です。
ただ、多くの人は八の字のレベルでそのまま急斜面に挑戦するので、
急斜面で暴走する!スキー怖い!
という経験をします。
急斜面を滑るのは自由ですが、暴走して
- コース脇の崖に落ちる
- 制御不能で立木にぶつかる(最悪○亡する)
- 人にぶつかって損害賠償を払う羽目になる
といったことが毎年のようにニュースで取り上げられます。
スキーはスポーツですが、道路と同じで法律が存在します。
相手を怪我させたら当然ですが治療費を払うことになりますし、最悪相手の仕事に支障が出れば訴えられたりもします。
仮に自分自身だけの問題でも怪我をすれば学業や仕事に影響が出るのです。
自分だけでなく、相手の人生も考慮するのがスキー場のゲレンデであり社会のマナーです。
もし急斜面に挑戦するのであれば
誰も滑っていない瞬間を狙うか、相手との距離を多くとって滑ること
を強く推奨します。
横滑りはどのように滑るのか?

滑り方は下記のイラストにある「止まるシュテムターン」を緩斜面や中斜面で練習すると、急斜面でも同じ容量で滑れるはずです。

もし、あなたがまだ足を揃えて滑るパラレルターンができないのであれば、下記の動画を参考にまずは足を揃える練習から始めてください。
動画の冒頭に同じイラストが出てきますが、その直後に横滑りの実際の練習映像も出てきます。
スキーでクルッとターンする低速の練習方法なので、この滑り方を急斜面で行うと横ズレを使った安全な滑り方が可能となるので、スキー初心者や中級者でもコブ以外のほとんどのゲレンデを滑るようになり、頂上から楽しめる人もきっと増えるはずと思って作成しました。
ここの文章を見るより、動画を見て真似してみるところから始めた方が習得が早いかと思うので、スキーテクニックチャンネルの動画を参考にしてみてください。
横ズレを使い、急斜面を滑る中級者・上級者向けのパラレルターン小回りとは?

これのお手本は日本スキー教程のP94に出てますが、94ページの滑り方は2級というより1級の滑り方となります。
2級の滑り方と1級の滑り方の違いは下記の動画で解説しており、
- 2級は中級者向け
- 1級は上級者向け
の急斜面の滑り方となるので、下記の動画を見ていただきたいと思います。
要は1級レベルと2級レベル(検定では2級は中斜面、1級は急斜面使用)の横ズレの違いは、雪煙が多いのが2級で1級はコンパクトなショートターンという大きな違いがあります。
上級レベルになればなるほどズレを使ってる時間が短くなり、スピードも上がるというわけです。
アルペン選手が使うフルカービングはエッジだけで滑るので、滑走面が雪面にほとんどつかないイメージで滑るのでハイスピードになりますが、1級と2級はレーシングではないので、あくまでもゲレンデで安全だけどある程度スピードのある滑りとなり上級者の位置付けとなるわけです。
スピードをテールの横ズレを使って、制御しスピードを自由自在にコントロールできるのが1級・2級レベルなのでこのレベルを目指したい人は下記の動画も参考になるかと思います。
この記事を書いてる現在、名前が「ベーシックパラレルターン」という名称に全日本スキー連盟(SAJ)が変更してますが、要領は上記で語った通りです。
急斜面を滑るポイントは初心者ほどズレてる時間を使い、上級者ほどズレが少なくなる

上記の写真は2級レベルです。そして下が1級レベルです。

雪煙の量が明らかに違うのがお分かりいただけるかと思います。また、2級レベルの方がスキー板が横向きになってるのがわかるかと思います。
これが「ズレ」です。
スキー板を急激に横向きにズラすことで暴走を防ぐことができます。スキーのズレとは要はブレーキの強弱をつけながら滑るわけです。
また、スキー板も1級レベルの写真の方がしなっており、この板が弓矢のように反発するので、その力を推進力に変えるのが1級以上のレベルです。
アルペンスキー競技は「板がしなりっぱなし」で究極の形となるわけですが、一般の方はスピードを求めないので、ここで紹介した安全な滑り方のどれかを参考に、自分の目的に合った滑り方でスキーを楽しんでいただければ幸いです。

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基礎・競技に関係なく使えるスキー上達法についてYouTubeとブログで解説しています。用具に関する話題なども豊富にブログで書いてます。