スキー検定1級の総合滑降とは?ルールと評価ポイント、減速しないターンの繋ぎ方を解説
今回のスキー検定1級合格のコツは総合滑降を深掘り解説します。特に減点の対象となる「ターンとターンの繋ぎ方」について説明します。
こんな方におすすめ
- スキー検定1級、テクニカル、クラウン、技術選で登場する総合滑降とはどんな種目か知りたい方
- 具体的に総合滑降でどんな滑りをすれば良いかわからない方
- 検定に合格する構成を知りたい方
- 検定員が総合滑降でどこを評価するか知りたい方
- 減点される滑り、加点され評価される滑りとはどんな滑り方なのかを知りたい方
こんな方にはきっと役立つかと思います。
スキー検定1級の総合滑降って何?(技術選・テククラ含む)
総合滑降とは名前の通りフリー種目でもあり、総合的な滑りをしてもらう検定種目となります。
つまり、
- 小回り、中回り、大回りのうち最低でも2つの種目を入れる(私は3つ入れ、さらにギルランデも入れた。理由は後半で)
- 1級で求められるスピードが必要(2級のようなスピードはダメ)。スピードのある中で正確なターン処理をすること
これが総合滑降で求められる滑り方です。
上記の2番に1級と書いてるところをテクニカル、クラウン、技術選に置き換えれば、求められることは大体同じです。
そしてみなさん1番気になる検定員が評価するポイントは以下のとおりです。これは実際に検定員から事前講習で言われたことです。
検定員が見るところ
- ターンとターンの繋ぎで減速しないこと(雪煙が上がらないか見る。アルペン競技と同じ要素)
- 斜面にあった構成で滑ること(短い、長い、雪質、片斜面などをうまく利用したり工夫する)
- ゴール時点で1番スピードがあることが好ましい
こういったことを言われました。
他の検定種目とは異なり、スピードが異なる小回りと大回り、中回りをどう減速せず、検定員のところまで滑るか、技術力をアピールするかがこの総合滑降の最大の特徴であり面白さでしょう。
総合滑降はアルペンスキー選手に圧倒的に有利な種目
アルペンスキーの回転競技(スラローム)経験者ならよくわかるかと思うのですが、この全日本スキー連盟(SAJ)1級の総合滑降はスラローム競技で重要視される
「ターンとターンを減速しないで繋ぐ」
という要素が求められます。
アルペン競技だと
- ノーマルセット(通常のターン弧)からストレートポール(まっすぐに3旗門が並ぶ箇所)の入り方(上記の写真注目。フェリックス・ノイロイターの入り方、雪煙の量に注目)
- ストレートからのヘアピン
- ヘアピンからノーマルセット
といった具合に罠をコースセッターが仕掛け、減速しやすい箇所を作り、選手がそこを見抜いて回避しながらタイムを競ってます。
これに似たようなものが総合滑降で求められます。
アルペンスキーは減速してはいけないので、とにかく雪煙を上げないよう滑るというのが鉄則です。
なぜなら
「雪煙=減速(ブレーキ)」
となるからです。
ブレーキをするとき、スキー板をこのように横向きにしますよね?
そうなると、こんな感じでターン技術に差が出てきます。↓
雪煙に明かな違いがありますよね?
これが技術の違いです。
では、具体的に総合滑降でどのような滑りをすれば良いか?
重視される点に絞って解説します。
総合滑降で合格した実際の滑り方はこんな感じ
総合滑降ではとにかくスピードが重視されます。
かといって、1級の場合に限って言うと他の検定種目は
- ベーシックパラレルターン小回り
- パラレルターン大回り
- パラレルターン小回り(不整地)
なので、フルカービングターンが可能なのは大回りだけとなってます。
こういった1級の制約の中で私は1級合格したわけですが、合格するために意識したのは
- 斜面の特徴を最大限生かしたターン構成
- アピールポイント
- ターンの繋ぎ方
の3つでした。
1つずつ解説します。
合格ポイント1:斜面の特徴を最大限生かしたターン構成と本番コースのインスペクション(下見)
1級検定本番前の昼休みに私は検定場所で1度立ち止まって
- 斜面が斜めになってないか
- 初速をMAXまで上げた場合、どのくらい急斜面でラインが落とされるか
- 検定の区間が長い場合と短い場合のターン孤の大きさをイメージ
という作業をしました。
1級からは急斜面ですから、検定区間が短い場合初速をマックスまで持っていくと、3ターンくらいで終わったりします。
それだと何もターンができません。
なので、長い場合、短い場合の両方を想定し、本番で短くなったのでターン弧を変えたのです。
そのことはこの動画で解説してます。
合格ポイント2:アピールポイント
私はアルペンスキーをやってましたから、出だしの急斜面、左に僅かに傾く片斜面を利用し、
ターンの抜け(加速)をアピール
するため、スタート直後は小回り系→大回りでアピール攻めました。特に左より右ターンで加速することは下見でわかってたので、そこを上手く利用。
そして途中、検定員から見えなくなる箇所を利用し、クローチング・最後の斜面変化で
- ギルランデ
- 検定員の前で小回り
という構成にしたわけです。
アルペンやってたので、中回りとギルランデを入れてもスピードはあるだろうと思ってましたが、これが逆効果でした。
詳しくは下記の動画に検定員とのやり取りがでてるので、知りたい人はこちらを参考にしてください。
合格ポイント3:ターンとターンの繋ぎ方をアピール
上記の写真のように最後にあえてギルランデを入れたのは
「俺は大回りからギルランデしても雪煙舞うことがないターンができるぞ」アピール
するために入れました。
が、検定員はリフトでの雑談で
ギルランデは入れなくてもいいですよ。中回りに抑えた方がまだ良い
と言われてたのですが、あえて入れたんですよね・・・。ーー;
なぜか?
それは
他の受験者が大回りと小回りだけという単純構成すぎて、見ていてつまらなかったから・・・
という状態でした。
スタート直前までは大回りと小回りで考えてましたが、あまりにも硬い雰囲気の検定だったので・・・。
しかも総合滑降の最後のスタートは私でしたから、
みんな緊張して硬い滑りだから、1ターン目までは勢いつけるため技術選のようなクローチングスタートでアピールするかー
という感じでメチャクチャ漕いで1ターン目に入りましたが、結果
色々総合滑降でターンの種類入れすぎて評価が下がった・・・
という感じです。
欲張りすぎたかな?
と反省しました。
ま、合格したからいいやーと思ってますけどね。
受かればいいんです。
総合滑降の構成は自由。けど、検定員の好みで滑った方が加点は狙える(はず)
以上で総合滑降はこんな種目ですよーという解説でした。
なんとなーくお分かりいただけたでしょうか?
YouTubeとかで検索すると検定の滑りが出てくるので、そういった動画を参考にするとより理解が深まるかと思います。
1級は多少雑でも、フォームが綺麗でなくても、滑り切る技術があれば合格できるはずです。
上記の私の1級合格動画を見れば、
あれが70点の滑りかー
と思ってくれれば1つの目安になるかと思います。
逆に私がギリギリのオール70点、280点合格なので私より下手な方は不合格になる確率が高いでしょう。
本番は緊張もするかと思うので、思いっきり吹っ切れて滑るのも1つの方法です。
あまり頭で考えないで、自信を持って滑りましょう。
何か自信がない部分があれば、有料ですが下記のsnowweb.jpスキーサロンにて個人的な相談を受けるので、気になる方はご相談ください。
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スキーは楽しくゲレンデで安全にみんなが楽しめればそれで良いと思います。ただ、検定やアルペンなどは最低限やるべきことがあるので、ブログとYouTube、Xでそれぞれ細かくお伝えしてます。アルペンW杯・冬季五輪速報もやってます。