パラレルターン片足練習の長所は外足荷重とポジションを理解しやすいこと。
今回のパラレルターンの滑り方は片足練習のメリットについて紹介します。結論、スキー上級者の基本技術である「外足荷重」を理解しやすい滑り方となります。
- パラレルターンの片足練習は外足荷重を理解しやすいが、初心者は怪我にも注意。
- 内足を完全に上げてしまうことで、嫌でも外足荷重をすることができる。
- 片足での練習はスキーで最も重要な「センターポジション」を理解できること。
- 練習するなら必ず緩斜面からが安全
- 外足荷重ができると高速でのショートターン(小回り)、ロングターン(大回り)、ミドルターン(中回り)の安定感が増す。
といったメリットがあります。
実際にパラレルターンの片足練習が下記の動画の再生後3分42秒から、5分19秒からの2箇所で滑ってるので、まずこちらをご覧ください。
パラレルターン片足練習のメリット・デメリット
上記の写真は内足を上げて滑るパラレルターンの片足練習ですが、こうすることで
嫌でも外足荷重という滑り方が理解できる
というメリットがあります。
*外足荷重について知らない人は下記の記事をどうぞ。
また、もう1つのメリットとして
スキー技術で最も重要な「センターポジション」を理解できる。このポジションにいないとスキー操作が難しくなる。
ということも理解できます。
反面、デメリットは
スキー初心者やパラレルターンが苦手な人にとっては足元がグラつき、不安定で転倒する可能性の高い怪我のリスクがある滑り方
となります。
ですので、
足を揃えて滑るのが苦手
というレベルの人は片足でのパラレルターン練習は避けた方が良いというのが私の考えです。
むしろ、初心者はプルークボーゲン(八の字)で外足荷重を覚えた方が安全に上達していく確率が高いのでこちらをお勧めします。
片足でのパラレルターンはセンターポジションをキープしないと操作できない
センターポジションとは上記の写真の通り、
ビンディング(金具)の真上に腰が常にあること
を意味します。
例えばターンする際、実際に私のスキーテクニックチャンネル(ユーチューブ)をスローで見ると常にこの位置に腰があるのがわかるかと思います。
実際に写真を見るとこんな感じです。
*センターポジションについて解説した動画はこちら
特に片足で滑る場合、
- 体の重心が内側・外側すぎると簡単に転倒する
- スキー板が雪面と設置してるのが片足だけになるので不安定になるので操作しづらくなり、センターポジションに腰がないと操作すらできない
といった状況になります。
なので嫌でも外足荷重とセンターポジションを理解できるわけですが、中級者以上でやるか、バランス能力の高い人だけやるべき練習かなと思います。
アルペンスキー選手はほぼ全員、いろんな片足パラレルターンを練習する。種類はこのくらい。
この写真を見ての通り、アルペンスキー競技は全員同じところを通過するので、旗門の横が掘れてきます。
こうなってくるとセンターポジションにないと後傾姿勢となって旗門不通過や転倒の原因となるので、アルペン選手のほとんどは
- 片足を上げて滑るパラレルターン
- 片足のスキーを脱いで片足パラレルターン
- 両ストック、片足のスキーを外して、板1本で片足パラレルターンの練習
- 両ストックを持ち、片足だけスキー板を履いてモーグル(コブ)をパラレルで滑る
といったことを練習でやります。
これは写真のように掘れた場合は不安定になるので、
どんなシチュエーションでも安定したポジションで正確にコントロールできる能力を身につける
ということを目的とした練習であり、アルペン競技をする選手たちは時速100キロでも安定してターンをすることが可能なのです。
常日頃、こういった地道な練習を繰り返すので、上手くなるのは当たり前なのです。他にも
- 普通にコブを滑る
- 深雪を滑る
- 氷のようなアイスバーンを滑る
- 春の緩い雪を滑る
などさまざまな条件で同じ滑りを表現できるのがアルペン選手の特徴です。
レース当日はどんな天気や雪面状況になるかわからないので、あらゆることを想定して練習しています。
片足でのパラレルターン練習は中級者か上級者向け
最後にまとめになりますが、片足でパラレルターンを練習させるのは
中級者か上級者に限ってやった方が良い
です。
両足でも滑れないのに、いきなり片足で練習させるのは初心者にはかなり危険が伴うでしょう。
あくまでもこの練習はスキーの基本的な動きができていないレーサーや基礎スキーヤー向けの練習方法であり、初心者はプルークボーゲンやシュテムターンでの基本動作確認にした方が無難ではないかと思います。
興味のある人はぜひこの練習方法を試してみてください。