2025スキー検定は評価のポイント変わる?日本スキー教程改訂の滑り方から考える。

2024年7月11日にスキー検定種目名が変更。2024年10月7日に全日本スキー連盟(SAJ)から日本スキー教程改訂版が発売され、だいぶ内容が変わってるので、検定評価に影響するか考えます。
前回の日本スキー教程改訂から10年が経ち、リニューアルされました。
スキー検定種目変更に関してはSAJ、日本スキー教程、級別バッジテスト検定種目速報でお伝えした通りです。
今回は2024−2025シーズンにテクニカルやクラウンのプライズテスト、1級、2級、3級の級別バッジテスト、いわゆる「スキー検定」を受験される方に向けて今シーズンの評価ポイントを考えてみたいと思います。
2025スキー検定の評価ポイントは変わるのか?

2023−2024シーズンに私は1級と2級を受験し、合格ポイントを受験前にまとめた上で、全て一発合格しています。
おそらく今シーズンも
合格できるレベルなのに、なーんにも予習しないで適当に受験して不合格になる人いっぱい今年もいるんだろうなー
と思っています。
スキー検定にはルールのようなもの、つまり検定員がみるポイントというのがきちんと資格検定受験者のためにという本で説明されていますし、スキーグラフィックの1月、2月、3月号あたりでもバッジテスト特集が組まれるので合格・不合格の違いが連続写真付きでわざわざ解説してるので、こちらを見た方が確実でしょう。
ただ、今シーズンは10年ぶりに教程、つまり「スキーの教科書」が変更された年ということで、昨年検定員やSAJ公認スキー学校の校長などから聞いた話が割と今回の教程の話が一致してたので、まとめておきたいと思います。
検定員の年齢が変化しており、評価ポイントが違ってきてる。
結論から言ってしまうと、
SAJの評価基準はあるが、細かい違いは検定員によって変わるので3人体制での平均値評価(小数点第1位を四捨五入する)
になります。
なので、スキー技術選同様、検定員によってジャッジの幅が結構出るので「上手さの定義」も変わります。
しかし、日本スキー教程が昨年の検定員の予告通り、
アルペン選手有利かも
という情報は今季「気持ち程度に」有利かなー?と思う内容になっています。
このことはYouTubeのスキーテクニックチャンネルで春にお伝えした通りです。
なぜアルペンレーサーが検定に有利になる?

今回リニューアルされたスキー教程と前回のスキー教程を比較すると大きな違いが出てるのですが、
新スキー教程はカービングターンに導くためのパラレルターン指導という印象
を受けます。
これは私個人が印象操作しようとしてるのではなく、実際に見比べると横滑りの解説がダイナミックパラレルターンという実践編というか、応用編のようなところに移動してるからです。(前回の教程では前半で紹介された)
以前は、スキー場のカービングターンによる暴走事故が増えて1級検定では「横滑り」というものが検定種目にあり、事故件数が減ってのちに削除され、総合滑降という技術選のような種目が1級検定で設定されました。
しかし、2024年10月7日発売の日本スキー教程は今までにないほど「カービング」に誘導してるというのが私個人の感想です。(あくまでも感想ですよー^^;)
アルペンスキー競技はフルカービングターンが当たり前
1級までの級別バッジテストは「フルカービングターンは69点扱い」というのをSAJ公式動画を下記のリンク先で紹介してますが、アルペンスキー選手は減速してはいけないスポーツです。
アルペン競技ではこのフルカービングテクニックを使い、いわゆる基礎スキーの「テールのズレを使ったベーシックパラレルターン」はオプションテクニックとなります。(というか使わないのが基本)
つまり、基礎(ズレ)スキーとある意味正反対の世界がアルペンスキーというわけです。
スキー教程本の中身を言うわけにはいかないので、詳しくは書店で手に取ってもらいたいのですが、個人的には
ズレる滑りをハッキリ初心者でもわかるよう、本の前半に掲載した方が安全上良かったのではないか?
と元アルペン選手という立場からでも感じました。
SAJにもいろんな人がおり、さらにインタースキーの影響?や海外からのスキーヤー増加もすごいので、結果的に今のスキー教程が完成したのだと思います。
でもまあー、最終的には現場での指導はインストラクターなので、
この冬、初めてスキーやるぞ!まずはスキー教程を読むぞ!
というマニアックなスキー初心者はまずいないでしょうから、検定受験者あたりが影響受けそうな気もします。
2024−2025シーズンからSAJスキーバッジテストの評価ポイント変わる?

これは以前どこかで書いたかと思うのですが、バッジテスト(スキー検定)は
検定員の年齢によっても変わる
ということを以前説明したことがあるかと思います。
簡単に言ってしまうと
「カービング世代(2000年以降)」と「えんぴつスキー板世代(1999年以前)」
で分かれます。
とはいえ、えんぴつ世代でも今はみんなカービングなのでどちらもできるわけですが、スキーに対する考え方や技術の幅への考え方が違うわけです。
技術選を見てもわかるのですが、40歳以下は高温で雪が緩むと内倒する傾向が高いですが、40歳以上は外足荷重重視世代なので緩んだ雪でも安定感がある人が多いです。
若い人も年配の人も上手いスキーヤーは雪質関係なく上手いので、全部できるスキーヤーが1番上手いというのが私の定義ですが、技術選は深い内傾角を出す選手に点数を出す検定員がいるので、評価が少しずつ変化してきてる印象を受けます。(詳しくはスキーテクニックチャンネルの技術選のジャッジ別点数分析参照)
どちらの滑りにもメリット、デメリットがあるので試合や検定当日に滑り方を変更したりするわけですが、カービングをどこの級で使うか?は結構重要な要素になるのかな?という印象を受けています。
スキッティングとカービングの違いをハッキリ出した新スキー教程の狙いは?

スキー検定はもちろん、一般のスキーヤー向けに3種類のパラレルターンを解説した動画が下記にあるのですが、この中で2級と1級のズレ方の違いを解説しています。
また、1級と2級に特化して解説した動画も昨年作ってます。
おそらく2024−2025シーズンも評価の仕方に変更はないと思われますが、私は昨年2級の事前講習で検定員に聞いた
2級のベーシックパラレルターン大回り、小回りはカービングを使って良いのですか?
という質問に対し、検定員は
使っても大丈夫です
という意見があったのをよく覚えてます。
理論上の話であれば「ベーシック=横滑り」という意味ですから、テールのズレを使うのが本来SAJが考えるベーシックパラレルターン大回り・小回りの理想です。
しかし、すでに昨年の段階で検定員は「2級でカービングOK」という判断を下してることからもわかる通り、新しいスキー教程もカービングに導くような指導法になってます。(注意:実際は運動能力に応じてケースバイケースで現場は教えると思います)
スキー板の性能も変化し、今はカービングスキー板しかないですし、中古屋に90年代前半の鉛筆スキーを売りに行ったら
カービングしか買い取れません
と言われ、市場にはカービングスキー板しか今はない状態です。
つまり、形状がカービングのみになるのであれば当然ですが、教え方も変化していかないといけないよねーということになります。
これが級別テストの評価に影響するのかわかりませんが、フルカービングターンは流石に引き続き減点対象になると思いますが、「カービング要素」は2級レベルでも必要になるかな?と思います。
2023−2024シーズンまではカービング封印でも加点が取れた2級
上記の動画で私は
カービングを封印しても2級で加点が取れた
と説明してます。
しかし今シーズン、または2025−2026シーズンは検定員の評価が変わってるかもしれません。
こればかりは皆さんが現場で事前講習で直接聞いてほしいと思いますし、もしカービングOKなら下記のコメント欄で情報提供してくれると助かります。
検定員の評価事例がたくさんあれば、次に検定受験する人も参考になるかと思いますし、逆にカービングがダメなケースもあるかと思うので、統計的にジャッジのデータを集めたいと考えてます。
ただ、スキー検定には見るポイントがある程度決まってることは資格検定受験者のために(2024・2025年度版が欲しい)にきちんと書かれてるので、最低限ココは抑えて滑りましょう。
実際にスキー2級の検定でもカービングで滑ってた人がいたので、これが
- 暴走に当たるのか
- スピードコントロールされ暴走にならなかったのか?
でも点数が加点か減点か変わるので、色々今年も情報を集めてみたいと思います。
気になる人はYouTubeのスキーテクニックチャンネルで情報提供したいと考えてるので、登録しておいてください。

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基礎・競技に関係なく使えるスキー上達法についてYouTubeとブログで解説しています。用具に関する話題なども豊富にブログで書いてます。