2024スキー技術選予選1日目女子大回りリザルト。ジャッジ別順位から見るバッジテスト新種目の話と技術解説
今回は前回の2024スキー技術選男子大回り予選リザルトに引き続き女子大回りの解説、ジャッジ別順位を公表します。また、2022年八方根の公式なジャッジ減点表もあったので紹介します。目次からお好きなところをご覧ください。
スキー技術選のジャッジの点数はどのように付けられるのか?
以前、
スキー技術選にはジャッジの指標がない
というコメントをネットのどこかで見たことがありますが、結論から言うとあります。
ネット上に2022年の八方根で行われた第59回全日本スキー技術選手権大会の減点表がこれです。
これはあくまでも「減点表」なので1つの指標になるのですが、こういった1点刻みの指標があるという話はネット上でもいくつか指摘されてます。
選手に装置をつけ、ジャッジと実際の技術を比較した研究論文もある。
また、こちらは2016年のスキー技術選の研究論文ですが、実際に選手に装置をつけ、技術選のジャッジ資格であるA級検定員の評価とコンピュータが解析した滑りを比較した研究も出てます。
少し古いですが大きな指標材料になるはずです。
ですが、大掛かりな研究はあるにせよ、ブラックボックスであることに変わりないので、私はこんな投稿をSNSでしました。
点数に皆さん興味津々のようなので、今後集中的にスキー技術選をスキーテクニックチャンネルとsnowweb.jpで取り上げていきます。
なお、選手別の速報などはXの方で順次アップしていくので、気になる人はXもフォローしておいてください。
2024スキー技術選予選1日目女子大回りのジャッジ別順位表
以下は第61回全日本スキー技術選手権大会予選初日、女子大回りのジャッジ別のリザルトです。
得点の統計、中央値
予選初日女子大回りの統計数値は以下の通りです。
- 平均点:258点
- 中央値:260点
- 最高点:274点
- 最低点:228点
- 1番多い点数:262点(10名)
となっており、260点から266点にかけて多くの点数が集中してました。
決勝に行く目安としては最低でも262点以上は確保したいところですね。
女子選手の資格・団体の割合
こちらは資格の割合ですね。次に地域別の団体の割合が以下の通りです。
これを見ると1位北海道、2位東京都、3位長野県、4位新潟県、5位学連、6位埼玉県となってます。
新SAJスキー教程を意識したジャッジ点数かも。2025年のスキー検定は不整地が消え、よりアルペン寄りになる可能性も。
今回は男子大回りについて書いた時よりも、ジャッジの傾向について調べました。
まだまだ細かい点の分析をしていくので、夏頃まではかかるのではないかと思いますが、現時点でわかってる「私なりの主観」で書くと以下の通りです。
- 男女ともアルペン全日本選手権でも通用する滑りかどうか
- 捉えの速さ
- 短いターン弧(素早いターン)
- 雪煙の量
- ターンの抜け(後半の加速)
もちろん、これが間違ってる可能性もあります。
ただ、上記で取り上げた研究論文にも書かれてますが(8年前のですが)、ジャッジによる主観の部分が結構入ってるので、点数を全部洗い出した後、各ジャッジの指標を洗い出す作業に入るので、この特徴は正確ではないと個人的には思ってます。
ただ、1級検定の時に聞いたのですが
次の改訂されたスキー教程は競技寄りになるっぽいので、レーサーは有利かも
と言われたので、それが如実に順位として現れてきてるので、SAJの技術の方向性、技術の海外輸出という観点から考えると
「世界標準にする」
という意向が今回のジャッジから見え隠れしてるのではないか?というのが私なりの2024年5月時点の感想です。
アルペンスキーW杯は世界標準技術であり、オーストリアスキー教程などは「タレの継ぎ足し」のような感じで基本をベースにしつつ、年々本が分厚くなってるようなので、そういった海外からの目線も気にしながら
「スキーの基礎」
を確立させようしてるのかもしれません。(変わらない部分も結構あるので)
また、インストラクターの高齢化も進み、バッジテストから不整地がなくなるなんて噂も出てますが、会場が絞られるテクニカル・クラウンだけ不整地になるような気もしてます。
すでに中回りの登場など、技術選でオールラウンドな技術が求められるのがわかってきています。
徐々にですが次のスキー教程(教科書のようなもの)でバッジテストや技術選の種目情報が露出してくるかと思うので、最新情報をスキーテクニックチャンネルとXでもお伝えしていきます。
2024スキー技術選予選1日目、女子大回りのトップ選手たちの技術解説
さて、ここからはスキー技術選の技術解説に入ります。リザルトは上記の通りですが、技術メモ、そして私なりの
「技術選指標」
があるので、各選手の滑りを比較できるようにしてるので、これをベースに解説していきます。
なお、映像はこちらを元に解説するので、下記の解説と比較しながら見るとわかりやすいかと思います。
まず、上位4人の滑りの違いは以下の通りです。