スキーグラフィック5月号。武田竜選手が2025年も技術選で6連覇すると思う理由。
武田竜選手にプレッシャーをかけるわけではないですが(汗)、今回はスキーグラフィック2024年5月号を元になぜ2025スキー技術選で武田竜選手が勝つと思うのかを解説します。
まず最初に昨日、SNSで画像がうまく表示されなかったので改めて2024−2025スキー検定種目変更に関する情報をまとめたので気になる方は下記の記事をご覧ください。
さて、本題に入ります。今回は
なぜ武田竜選手が6連覇すると思ってるか
を深掘りしてお話ししたいと思います。
スキー技術選では過去に現在ジャッジを務める松沢聖佳さんの9連覇という記録がありますが、武田竜選手が現在最も近い位置にいます。
まだ第61回全日本スキー技術選手権大会が終わったばかりですが、早くも第62回全日本スキー技術選手権大会(会場は引き続きルスツ)について予想してみようと思います。
スキー技術選の難しさは予選からスーパーファイナルまで続くこと。
2024スキー技術選男子の順位になった理由は色々あるかと思います。1つの要因ではないのは確かです。
特に技術以外ではメンタル問題もあり、焦ってリスクを負っていく滑りをし、不整地などで1発賭けることもあるでしょう。
ですがアルペンスキーW杯と同じく
「常に勝ち続ける選手の特徴」
というのが競技・基礎に関係なく存在します。
それが
「腰のポジション」
です。
実際にスーパーファイナルのリザルトを見ると一目瞭然です。
実際に映像でも見てみるとよくわかります。
予選初日男子大回りのメモ
①武田竜選手は総合狙いなので高い腰の位置でどの種目でも安定を狙った滑り方
②サロモン勢、HEADの奥村駿選手は上体を早い段階でフォールラインに向け捉えを速くしてる。 どちらも長所短所がありますね。
https://x.com/hide_skiarea/status/1795193410132779112
続き:どちらの滑り方にも長所短所があると先ほど言ったのですが、総合を狙うならやはり良い腰のポジションは必須かなと。 安定感の違いが出たなと思ったのはこのSFの奥村選手の滑りです。不整地は1番実力差が出ます。整地で稼ぐ作戦だったのかなぁ。
https://x.com/hide_skiarea/status/1795195682799673719
また、スキーグラフィック5月号のP26の齋藤圭哉選手と武田竜選手の滑りを比較しても良くわかるのですが、サロモン・ヘッド勢に比べ武田竜選手は内側に体が入っていないのがよくわかります。
体が内側に入るとミスする確率が格段に上がる
論より証拠ということで、実際に数字で見てみるとよくわかります。
「武田竜選手は失敗が少ない」
と計算済みで滑ってます。
残りの点数差などを考え、どこで点数を稼ぐかという駆け引きが出るので、緊張感との戦いにもなってきますが、特に技術的な差が出たのはやっぱりスーパーファイナルではないかと思います。
実際に上記のリザルトを見ると
という特徴があります。
特に体の重心が外ではなく内側にウエイトをズラし、外足を伸ばして板をしっかりたわませるという技術は何もなければスピードを産むのですが、デメリットもあり
というリスクがあります。
これはアルペンスキー競技でもよく技術の使い分けを上位選手はするのですが、第1シードと後方ゼッケンでは重心の位置を変えるのと同じで、ゲレンデ状況に合わせて滑り方を変える必要があります。
実際、武田竜選手はイベントなどで
「どんなところも同じように滑る」
と公言しており、見栄えより技術重視派です。
八方だろうがルスツだろうが、アイスバーンだろうが、湿った雪だろうが同じように滑ってるのがよくわかるのが武田竜選手の最大の特徴であり、ある意味
「見た目はつまらない」
と思う人も多いかと思います。
派手さはないのですが、実際にこれをやろうとするのは相当難しいです。
技術選と言えど、荒れた雪質の場面は必ず出てくる
アルペンほどではないですが、アルペンスキー競技と基礎スキーの大きな違いの1つに
雪質がまるで違う
という特徴があります。
バッジテストでも午前の講習で「楽勝」と思ったら、午後になりザクザク雪になって検定不合格になる人もかなり多いのと同じで、技術選も「雪質」で差が出てきます。
アルペンスキーの場合、腰の位置をかなり上げて、下記の動画で解説した1番から2番でポジションをセットするわけですが、技術選の場合、気温が上がり雪が緩んでもそのまま内側に重心が入る選手が結構多いです。
そうなると
- 4日間集中的にやるので、最後はかなり疲労が溜まる。
- スーパーファイナルは疲労が1番溜まっている状況で、プレッシャーと点数駆け引きをしなければいけない。
- 疲労が溜まってる状況でミスもできない
- 場合によっては減点覚悟で1発かけて逆転を狙わないといけない場面が出てくる。
- 重心が内側に入る選手は荒れたり、攻めすぎたりすると内倒しやすい(下記に実際の森田選手の映像あり)
というアルペン競技とは違った難しさがあります。
森田昂也選手の17位(276点)と武田竜選手(2位・280点)の大回り技術比較するとわかりやすいのですが、森田選手のような内側に入るタイプ(上位に多い)のデメリットは荒れると内倒しやすいんですよね。森田選手の7ターン目に注目。
https://x.com/hide_skiarea/status/1795676033175474385
誰でも滑れるゲレンデで、かつアルペンとは違いコースの長さが圧倒的に短いのでリカバリーする余裕がなく、
「ミスすれば減点」
で順位が下がるという難しさがある大会な訳です。
リカバリーしても点数が上がらないという難しい部分があるからこそ技術選の面白さがそこにあります。
このような大会特有の特徴があると
ミスしない滑り方にセットした方が総合は狙いやすい
のではないかと思いますし、武田竜選手の滑り方はこの大会に「合わせてる」のは点数から見てもよくわかります。(もちろん、ジャッジが求める技術を最低限見せることが条件です)
2024年から中回りも入り、よりオールラウンドな幅広い技術力が求められるので、内側に重心が来ている選手たちが、もう少し外側に重心が移動するのか。
2025年のスキー技術選でどう変化するのか楽しみです。
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