スキー技術選、基礎で100点満点の滑りはこのような滑り方。SF小回りフリーを分析してみた。

スキー技術選、基礎で100点満点の滑りはこのような滑り方。SF小回りフリーを分析してみた。
[jinr_fukidashi1]

今回はこちらの映像をベースに、スキー技術選で行われている「小回りフリー」のルールや得点の違いを解説します。なお、私はA級検定員ではないので、あくまでも点数の研究として情報を鵜呑みにせず、個人的な記録ということをご理解ください。

[/jinr_fukidashi1]

スキー技術選で出てくる種目「小回りフリー」って何?

Photo:Niseko Hanazono

まず基礎スキーとか技術選を全く知らない初心者のために、この種目のルールをまとめると以下のようになります。

小回りフリーとは

観点:ポジショニング、エッジング、荷重動作 ・スムーズな切り替え動作 ・ターン前半の捉えの早さ ・リズム変化への対応

規制内容:通常小回り時の横幅の目安 5m-5.5m

ターン数の目安: 19-22ターン

【留意点】:アルペン競技のSLをイメージ

https://x.com/hide_skiarea/status/1796642436162469925

これらを頭に入れた上で、次に上位2選手の滑りの点数の違いを比較しました。

[jinr_simple_iconbox3 icon=”pencil”]

なお、同じく2位タイの山田椋喬選手はA95B95C94D95E95という結果で武田竜選手と同じ順位ですが、映像が小さすぎて見えないので、ここでは割愛して2選手で滑りを比較します。

[/jinr_simple_iconbox3]

奥村駿選手のスーパーファイナル小回りフリーの点数

奥村駿選手のスーパーファイナル小回りフリーの点数(今大会最高点)

A: 片山 秀斗  96

B: 吉岡 大輔  96

C: 片桐 貴司  97

D: 武田 力 96

E: 松沢 聖佳 95

ターン数:20

https://x.com/hide_skiarea/status/1796638465624576221

武田竜選手のスーパーファイナル小回りフリーの点数

A: 片山 秀斗 95

B: 吉岡 大輔  95

C: 片桐 貴司  96

D: 武田 力 95 

E: 松沢 聖佳 94

ターン数:19

https://x.com/hide_skiarea/status/1796638712853631098

映像はリンク先にあるので、これらの点数とルールから考察します。

ちなみになぜこの種目を今回ピックアップしたか?

それは

[jinr_fukidashi1]

スキー技術選(基礎スキー)のほぼ満点の滑りがわかるから

[/jinr_fukidashi1]

です。

奥村駿選手は2024年スキー技術選最高得点をこの種目で288点を記録。ジャッジの個別点数を見ると最高点97がついてます。

なかなか100点の滑りを基礎スキーではお目にかかれないので、100点の滑りとはどういった滑りかを推測レベルですが解説します。

2選手はどこで減点されたか?満点が出たかもしれない種目

Photo:Niseko Grand Hirafu

実際に映像を見るとわかるのですが、おそらくジャッジは

「点数つけづらかったのでは?」

という印象を持ちました。(わからないけど。汗)

それだけ奥村駿選手の滑りの減点箇所が見当たらないという印象です。

また、この「小回りフリー」の種目のひっかけ問題として

「アルペンの回転競技(スラローム)のような」

というシチュエーションを条件としてきてます。

これはアルペン経験者でないとまず無理な課題であり、基礎スキー検定がアルペン寄りになってきてるという情報、2024年の新スキー教程の流れが見え隠れした種目の1つでもあります。

なので、アルペンのスラロームの要素である

アルペンスラローム要素
  1. ノーマルインターバルのセット部分
  2. ヘアピン
  3. ストレート(真っ直ぐが3旗門)
  4. スーパーストレート(真っ直ぐが4旗門)
  5. ギルランデっぽいセット
  6. 斜面変化のブルーラインを利用し、ポールセッターが必ずと言って良いほど立てる部分の再現(「次のポールが見えない部分の再現」と「斜面変化への対応アピール」)
  7. 真っ直ぐ目なのか、振ったポールセットといった斜面応じたターン要素

といった「要素」を入れないといけないというアルペン要素を思いっきり出した種目と言えます。

また、ターン技術としても基礎スキーではなく、アルペンのターンの方が高得点が狙える種目ではないかというのが私の予想です。

なぜこの種目が技術選に入ってるかという理由ですが、おそらく不整地と同じく、「技術的なボロが出やすい」という狙いがあるのだと考えます。(実際にそうなので)

基礎スキーは基本「テールをズラす」というのがベースにありますが、スキー技術はそれだけではなくモーグル、アルペンなどで要求されるターンも存在します。

これらが全部できる選手がNo.1という位置付けをこの大会では目指してる印象を受けます。

インスペクション段階で、上位選手は「仮想スラローム」を考えた構成になっている。

さて、ここから2名の滑りの違いを書きたいと思います。わかりやすく要点でまとめます。

奥村駿選手はどこで減点したか?

この問いは非常に難しいですが、いくつか要素を挙げると以下の点です。

  1. 5ターン目の左ターンで手をついた部分
  2. エッジングのキツさによる雪煙の量
  3. お尻の位置が一部低い
  4. 構成
  5. ジャッジが見抜けず「どこかミスがあると思うから95〜97点にしておこう」とした。(アルペンW杯でも全選手どこかミスしてるので完璧はない)

など5つほどあるかなーと思ったりもしますが、実際にはわかりません。おそらくこの辺りではないかと見てます。

動画はスローで見れますが、ジャッジはスピードのある状態で見るので、かなり難しかったのではないかと思われます。(スローで見ても大きなミスが見られないから)

おそらくミス1か2ですから、これがなかったら100点が出てたのかもしれませんね。

逆にブルーラインでの斜面変化アピールは完璧で、ウネリを超えた後にきちんとフルカービングしてきたところは高得点になったかと思います。

アルペンスキーの斜面変化での理想のターンです。

武田竜選手はどこで減点されたか?

逆に武田竜選手はわかりやすいミスを犯してる部分が2箇所あります。

私が見た限りでは

  1. 6ターン目の左ターンでの内倒(1点か2点)
  2. 最後のブルーラインでの斜面変化で、上に力が完全に抜けて板がズレたこと(ここだけで減点2点以上は引かれたはず)

という原因がハッキリ出てます。

ジャッジの公式な指標は下記の記事にあるので、目次からご覧ください。

技術選では有名かもしれませんが、9連覇をした松沢聖佳さんは厳しめの点数を出してるので、もっと減点材料を見抜いてる可能性も高いでしょう。

個人的には奥村駿選手の斜面向かって左から右に移行する時のポジションがちょっと低かったかな?と思ったりもしましたし、悪天候もあるのでジャッジ席からどのように見えたのかちょっと気になります。

ただ、ジャッジの減点表を見ると妥当な点数が出たかなと思いますし、奥村選手のうまさが出た種目ではないかと思います。

武田竜選手が最後ストレートポールのような滑りをしたのは、ターン数が足りないと思ったから?かもしれません。(多分)

ターン数が目安にきちんと収めてるということは、インスペクションである程度ターン幅で計算してるか、滑ってる最中に数えてる可能性はかなり高いでしょうね。

トップスキーヤーの頭の中を知りたいです。^^;

この記事を書いた人Wrote this article

hide

hide

スキーとワードプレステーマやSEOアフィリエイトの記事を書いてます。スキーの最新情報は無料メルマガとXで新着情報を受け取れます。2つ登録しておくと片方が不具合でも情報が確実に届くので2つの登録を強くおすすめします。

TOP
テキストのコピーはできません。