古いスキー?ウェーデルンのやり方を動画で解説。小回りとの違いは何? PR

今回のスキー小回りの滑り方とコツは番外編として今は検定種目にはない昭和の小回り「ウェーデルン」の滑り方について解説します。
一説によればオーストリアのスキー技術で、ドイツ語でWedeln(ウェデルン・尾を振る)という意味からきています。
要は
犬が喜ぶときにしっぽを振る動きからきてる
ようで、動きも犬そっくりです。
また、世代によっては1980年代に活躍し、現在も男子のW杯最多勝利数であるインゲマル・ステンマルク(スウェーデン)に憧れて滑っていた人も多いでしょう。
この滑り方は90年代まで存在し、2000年のカービングスキー板が一般のスキー用品店で普及してから、今では見かけない滑り方となりました。
そんな死語?にもなってるウェーデルンの滑り方について詳しく解説します。
ショートカービングスキー板の滑り方になるので、当時とは少し変わります。
ウェーデルンの滑り方とは?

実はウェーデルンというのは元々スキー検定種目にも存在し、今でもその滑り方の名残があります。それが
- スキー検定2級のベーシックパラレルターン小回り
- 1級の不整地での逆ひねり
で技術的に残ってる部分があります。
上記の写真でも2級はスキー板を横向きにずらす滑り方に対し、右のカービングは雪煙がほとんどありません。
極論にはなりますが、
2級の小回りでスキー板同士のスタンスを狭くすれば80%はウェーデルン
と言っても過言ではないです。
ですが、カービングのスキー板で滑ると必ずトップ(先端)が雪面に噛んでいくので、当時とは少し技術的に違います。
ではどこが違うのか?
それが以下の通りです。
ウェーデルンと今風の小回りの違い

違いを一覧にするとこんな感じです。
技術 | ウェーデルン(昔) | 小回り(今) |
---|---|---|
エッジング | 板がかなり真横 | テールをズラすorずらさない |
荷重 | 棒立ちに近い荷重 | 伸展or屈曲の荷重 |
上半身 | 逆ひねり | 逆ひねりor正対 |
滑走ライン | なし | なしorあり |
ストック | 垂直に突く | 手首を被せて突く |
上下動 | あり | ありorなし |
重心の位置 | センター(腰高) | センター(腰高or中腰) |
特に大きな違いは、
カービングのスキー板は上下動がなくても板を傾ける(角付けする)だけで板がたわむ仕組み(アルペンは引き続き上下の動きを使う)
といった違いが大きいです。
また、ショートカービングスキー板(170cm以下でR15以下)でウェーデルンをやるときは重心をセンターポジションから1、2cm少し後ろにするとトップが雪面に噛まないので、回しやすかったです。
スキー板の形状が変わると日本人にもチャンスが来た。昔のカービングターン練習方法

昔のスキー板は180cmや190cmでアルペンの回転競技に参加したり、基礎スキーの大会で小回りするのが当たり前でした。
板が長く、ウエストが今ほど細くないので、アルペンスキーW杯の選手もアルベルト・トンバやオーレ・クリスチャン・フルセットのような体が大きく、マッチョ系の選手がとにかく強い時代でした。
パワーで板をたわます時代でしたから、日本人選手も180cm以上が第1シードに入るなど、とにかく体が大きく重い選手が有利な時代だったわけです。
しかし、2000年以降、アルペンスキーW杯でも皆川賢太郎さんのキッツビューエル男子回転6位をキッカケに佐々木明選手、湯浅直樹さんなどトリノオリンピックで黄金期を迎えたわけです。(3人とも優勝できるレベルだった)
そういった過去もあり、パワーがあるに越したことは今も変わらないのですが、カービングスキーは
力がない人でもカービングできる時代になった。
というわけで、カービング=新しい技術というわけではありません。
このことは下記の動画でも90年代の話と当時のカービング初期のスキー板が出てきますが、板をズラさないで滑るのは昔からあったわけで、これをするには技術がないとできなかったというだけの話です。
カービング形状のスキー板はアルペン選手がやってた滑りを一般の中級・上級レベルのスキーヤーでもできるようになったので革命だったわけです。
しかし、基本的なスキー技術がないとカービングができないので、令和になっても2025年(この記事の執筆時点)になってもこれだけカービングターンができない人が多いのだと思います。
スキー学校に行っても、先生やコーチに聞いても、プロスキーヤーの動画を見てもカービングターンができない人も多いかと思います。
そんな方は90年代のカービング基礎練習が1番簡単で再現性が高いかと思うので、以下のカービングターン練習方法を試してみてください。
ショートカービングスキー板でウェーデルンをやるには?やり方がこれ。

簡単にまとめると、
- 外足荷重で内足には荷重しない
- ストックは垂直につく感じ。スキーグローブは被せない突き方(上記写真参照)
- スキー板のテールは押し出すが、2級検定レベルより真横にする感じで、とにかく犬の尻尾をフルイメージでクネクネ?滑る(完全には真横にしない)
- 両スキー板のスタンスは肩幅より狭くする(広くするとトップが雪面に食いつき、板が勝手に仕事をし、カービングしようとします)
- カービング動作を防ぐため、重心はセンターポジションより1、2cm後ろ
特に5番は昔の鉛筆スキーとは違い、カービングのスキー板でやる場合、重心を少し後ろにしないといけないというのが今回やってみてよくわかりました。
これはあくまでもカービングスキー板でウェーデルンをやる場合の話ですので、180cmの大回転用や大回り系のスキー板がR35くらいですから、昔の滑り方、つまりセンターポジションからの荷重でウェデルンが完成するはずです。
今回私が使用したのはsalomon s/max 170cm R15(2018年くらいのモデル)ですが、上記の5点を意識すると昭和のウェーデルンができると思うので、似たようなサイズの人はぜひ遊びでもチャレンジすると、
カービングターンご時世の現代、逆にゲレンデで目立つかも?
しれません。^^
気になる人はチャレンジしてみてください。
平成・令和生まれの方もぜひ♪
P.S .逆ひねりをすごく使うので、スキーダイエットしたい方がウェーデルンの方がウエストが引き締まって健康のエクササイズになるのではないかと思います。

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スキーは楽しくゲレンデで安全にみんなが楽しめればそれで良いと思います。ただ、検定やアルペンなどは最低限やるべきことがあるので、ブログとYouTube、Xでそれぞれ細かくお伝えしてます。アルペンW杯・冬季五輪速報はXでやってます。スキー下手くそなので日々勉強中したことをシェアしてます。