- 3月 1, 2025
屈曲加圧と伸展加圧のメリット・デメリット。菅平FECの佐々木明選手と小山陽平選手のスキーの滑り方を比較してみた。
Photo:Photo:Akira Sasaki/shutt……


パラレルターンをする際に「荷重のタイミングがわからない」という人多いかと思います。結論、レベルによって変わるので分けて解説します。
みなさん、よくこんなアドバイス聞きませんか?

ターン前半から踏んでターンしてください

ターン後半で踏んだほうがいいよ
「どっちやねん」と言いたい人も多いはず。
また、よくあるのが「踏む」というアドバイスです。
私も昔よく使ってましたし、気持ちはわかるのですが実際に
「フンっ!」
と靴で地面を踏むような感じではないです。正確には
とまあ、いろいろ表現方法があります。要は
「重さが乗るところ」「雪面に力が伝わる場所」
で荷重するということです。
詳しくはこちらの動画をご覧ください。(荷重のタイミングよりも正しいポジションに乗り続けることが大事です)
また、パラレルターン1つとっても(基礎・競技関係なく)前半派・後半派もおり、実はどれも

どれも半分正解で半分間違い
と私は考えます。
スキーは主観のスポーツなので指導者次第で上達スピードがかなり変わるので、学ぶなら日本トップレベル経験者の方をおすすめしますが、今回は4つの荷重ポイントがなぜ全部正解なのか1つ1つ解説します。

もう1度この4つの荷重ポイントを見てください。
4箇所の荷重ポイントがありますが、実はレベルや種目によって変わります。一覧にするとこんな感じです。
とまあー大体こんな感じになります。
これはあくまでも大雑把な分け方であり、個人差は当然出ます。BからCの人もいれば、BからDまで荷重する人様々です。目的によって変えます。
例えばアルペン競技で振ったポールセットになると、すぐにポールから抜けるスキー選手や真っ直ぐに攻めるタイプはCに当てはまるという人が多いかと思います。
一方、Cで荷重するスキーヤーは真っ直ぐなターンは得意なので、直線的なラインにめっぽう速かったりします。(例:佐々木明選手やボディ・ミラー型)
それぞれにメリット、デメリットがあるので、1つずつ紹介していきます。

上記の写真を見ての通り下方向にザザザっと流されてターンしてるのがわかるかと思います。
スキー初心者や中級者の方はまだ
といった理由から、結果的にこのようなパラレルターンをするほうが安定したターンがしやすいわけです。

以前こんな動画を出しましたが、上記の写真のようにブレーキ(停止)するとき、みなさんスキー板を真横にしませんか?
これを急斜面や中斜面で安全に滑れるように応用した滑りが以下の動画で再生後1分くらいのところで解説してます。
実際に上記の動画を見るとCからDポイントでターンしてる感じに見えます。
もっと詳細を書くと
ゲレンデは常に斜めなので、重力を利用してスキー板を横にするとブレーキとなり暴走を防げる
斜面下方向に流されると雪が溜まるので、バンクができ、そこの反動で反対側にターンしやすくなる。場合によってはCから横滑りで流し、Dでグッと荷重すると上手く反発力を合わさってターンしやすいという人もいるかもしれない。(CからDのターンしやすいタイミングで十分です)
といった流れで安全なターンが完成します。
特に急斜面発挑戦する初心者スキーヤーの方にはおすすめな滑り方になるので、安全にゲレンデで楽しみたい方はこの滑り方をおすすめします。

緩斜面でのストレート気味のラインで滑る時やアルペンの高速系の場合、そこまで横幅のあるターンをしなくて良いので、できるだけ長い時間荷重していきます。
クローチング姿勢でスピードを最大化するには重さをできるだけ長い間かけたいので、
といった工夫が必要なので、腰の位置はさほど落とさず、どっしりと雪面に満遍なく伝えるようなラインに仕上げていきます。
可能ならばAからDまでフルに使って、加速できるターン箇所は全部使うべきで、そのほうがスピードが乗ります。
逆にCからDの荷重箇所で高速系種目で力を蓄えてしまうと、スピードとG(重力)がある分、2mを超えるスキー板でも簡単にスキー板のトップ(先端)が浮いてしまい、転倒のリスクが増すので、技術選のような滑り方はおすすめできません。
高速になればなるほど、Cポイントではターンが終わってるくらいがちょうど良く、アルペンなら次の旗門でターン弧が膨れることはまずないでしょう。
万が一ターン弧が膨らんだら、トップの角付けで次の方向づけを調整すればミスを最小限に抑えられます。

Bの箇所は基礎・競技共通で1番多いかと思います。
アルペンだと
「上から入ってポールの横でターンが終わる」
という定番の荷重の仕方であり、アルペン出身者は多いスキー技術選でも多いです。
理由は1番無難であり、アルペン競技の場合、
「上からターンしてポールで終わる」
というのが理想なターンだからです。
これがポールを過ぎてからのターンだとターン弧が膨らんで、途中棄権になるリスクが高まるわけです。
ただ、
はBポイントからの荷重だと無難な滑りで終わるはずです。(場合によってはポールを待つ時間が生まれる)
スキー板のトップを浮かせないテクニックを持ってる上級者ならCポイントを最も重視するでしょう。Bポイントは主に
で荷重されるタイミングの箇所と言えます。(スラロームはC。下記参照)

上記の写真をよく見るとスキー板のテール(うしろ)からバンクのようなものが見えてるかと思います。
これがCポイントからの荷重であり、正確に言うと

スキー板の先端(トップ)が浮いて転倒リスクがあるが、正確なセンターポジションを常にキープできるフィジカル(身体能力)とスキー技術があると可能
なのがこのCからの荷重なのです。
主に
が最も重視する荷重のタイミングがこの場所です。
ただし、アルペンスキー選手の場合リスクがあり
といったリスクがある場所です。
この世界は物理法則で動きますから、必ずトレードオフの関係になります。
リスクを負うということは大抵の場合、別の要素を失うのでそこはケースバイケースで考えてこの箇所を使うべきでしょう。
アルペン選手ならそこをインスペクションで見極めるしかありません。
技術選でもやわらかい雪で視界が悪い日なんかはCから荷重してバランスを崩す選手もたまにいるので、そこは戦略になります。

以上で4つのスキーにおける荷重のタイミングを解説してみました。
荷重のタイミングを1箇所しか教えないスキーヤーとかもいますが、基礎の世界に留まらず、コブやアルペン競技をやってきてる人はもっと幅があることを知ってます。
ゲレンデだけでなく深雪や氷の斜面、硫安の巻いたコース、フルワンピースで滑る場合とスキーウェアで滑る時では全く荷重のタイミングが変わるので、いろんな経験を積むことがスキーを上達させるので、いろいろ挑戦していくと技術の引き出しが増えるので様々な経験をしてほしいと思います。
基礎・競技に関係なく使えるスキー上達法についてYouTubeとブログで解説しています。用具に関する話題なども豊富にブログで書いてます。