シュテムターンとは?一般の滑り方とスキー検定2級・3級の滑り方の違いを解説 PR

今回はスキーの「シュテムターン」について徹底解説します。なぜこの滑り方があるのか?滑り方などをイラストや動画、写真を交え詳しく説明します。
まずシュテムターンとは下記のイラストのように、
一般的なシュテムターンのやり方
- ターン直前にスキー板を八の字にし
- スキーのトップ(先端)とビンディング(金具)の間でストックを突き
- ターンするときに足を揃え
- ターンが終わると足を揃えて直進する。あとは1番から4番の繰り返し
- 補足1:左に曲がる時は右足に、右に曲がるときは左足に体重をかける(乗せる)と外足荷重が完成し、より簡単にスキー板を並行(パラレル)にして曲がることができる、パラレルターンの感覚を養うことができるターン練習方法
- 補足2:シュテムボーゲンなど発展された滑り方はこちらで紹介されてます。
というもので、スキー検定(バッジテスト)で言うとスキー検定2級とスキー検定3級で登場する検定種目でもあります。
上記のイラストがシュテムターンの滑り方を手順化したものです。

点線矢印の通りにスキー板を動かすとシュテムターンが完成となります。(下記の動画内でも似たようなイラストが登場します)
いわゆる足を揃えて滑る「パラレルターン」の前段階のための練習になりますが、シュテムターンを疎かにすると変なパラレルターンになるので、今回はこのシュテムターンを深掘り解説します。
シュテムターンとは?具体的な滑り方のポイント(コツ)

そもそもなんのためにシュテムターンがあるのか?
プルークボーゲン(八の字)からいきなり足を揃えてパラレルターンすればいいんじゃね?シュテムターンなんてなんか格好悪いし面倒だわ〜
と思う方も多いかと思います。
このシュテムターンは
- ターン直前に暴走を食い止めるため八の字があり、スピードで恐怖心を減らすための工夫が施されている。
- ターン直前に減速することで落ち着いて足を揃えてターンする練習に集中できる。
- プルークボーゲン(八の字滑走)に比べ若干スピードがあるので、ターンする時の遠心力で外足荷重を覚えやすい。
- パラレルターン以上のレベルで重要な要素である外足荷重を足を揃えて覚えることで、凹凸などでグラつかない安定・安全度が高い完成度の高いパラレルターンが完成する。
- ストックを突いて上半身をフォールラインに向けることの重要性をこの時点で覚えることもできる。(特に検定を受ける2級以上の上級レベルでは必須のテクニック。下記動画参照)
となっています。
要は
スキーで重要な基礎技術が詰まってる滑り方
という話です。(プルークボーゲンもそうですが)
シュテムターンの練習を適当にした人はこんなパラレルターンになる

シュテムターンで足を揃えてターンする際、外側の足に体重をかけなければいけない外足荷重をきちんと覚えないと上記のような不安定なターンになります。(イラストの左側を実際に再現した写真が下記にあります)
- 外足荷重されていないと、体が内側を傾けて滑るので、結果凹凸で転倒するリスクが高まる(怪我につながりやすい)
- 外側の足に体重をかけないので、雪面からの反発力をもらえず、結果上半身で無理やり捻ってパラレルターンをしようとする(上記イラスト右側)
外側の足に荷重されないとこんな感じで転倒につながるわけです。


こうなりたくないのであれば、シュテムターンできちんと内側の足に体重を乗せるのではなく
外側の足に体重を乗せる(かける)
ことをシュテムターンできちんと覚えましょう。
もし、シュテムターンで
八の字と全然違ってスピードが出て怖い!
という人はプルークボーゲン(八の字)の段階でも外足荷重の感覚を養うことができるので、低速で練習してもう1度シュテムターンに挑戦するのも1つの方法です。
なぜシュテムターンで外足荷重しないといけないのか?

外足荷重とセンターポジションはスキーで最も重要な2大要素ですが、外足荷重は怪我のリスクを減らすだけでなく、
パラレルターンでのロングターン(大回り)はもちろん、ショートターン(小回り)やミドルターン(中回り)の習得を早くする
といったメリットもあるからです。
なぜか?
それは
スキーは重力をうまく使うスポーツだから
です。
例えばシュテムターンで左に曲がりたいと思った時、右足に荷重するとしっかりと反発を雪面から受けるので、左方向に跳ね返ると言いますか、移動してくれるわけです。
逆に右に曲がりたいなら左足に荷重すると簡単に右に曲がってくれます。
ですが、この「荷重」、つまり体重をかけるということを知らない人はいつまで経っても
スキー全然曲がらないんだけど!
となるわけです。
シュテムターンでは外足荷重だけでなくセンターポジションも覚えると、その先のパラレルターンの完成度が高くなる。

スキーというスポーツは「スキー板をセンター部分で曲げる」スポーツです。なので、上記のイラストの右側のように
という現象が発生します。
むしろ、直進してスキーが暴走しコントロールできなくなります。
人間はそもそも歩くようにできてるので、歩く姿勢に近いほど操作性が増します。
棒立ちにはなりませんが、少し前に上半身を被せ、お尻が下がらないことでスキー操作がラクになるわけです。(下記の写真のような感じ)

またスキーというスポーツは
スキー板が弓矢のように曲がるので、その弓矢の反発力を使って反対側に移動するスポーツのようなもの
なわけです。
仮に弓矢のようにスキー板が曲がらなくても、体重を外側の足にかけることで、重さが雪面に伝わり、結果重力(遠心力)で得た力で雪面から反発力をもらえるので、その反動で反対方向に曲がってくれるわけです。
シュテムターンでは足を揃えた状態から外足荷重しやすい滑り方になってるので、簡単に反対方向に曲がる曲がることを覚えることができるという長所があるので、ぜひ練習してほしいなと思います。
スキー検定2級と3級ではシュテムターンをどのような点に注意して滑れば良いか?合格点の出る滑り方とは?

最後に全日本スキー連盟(SAJ)のシュテムターンの合格ポイントをまとめておきます。
受験当時、シュテムターンはできるのでこの種目の練習は一切練習せず合格点をもらいました。つまり、映像の通り滑れば65点の合格点をもらえる、または3級のシュテムターンも合格するということになります。
では、具体的に検定前の事前講習での検定員からの指摘、私なりにどのような点に注意してシュテムターンを検定本番で行ったのか書いておきます。(あくまでも私個人の話です)

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基礎・競技に関係なく使えるスキー上達法についてYouTubeとブログで解説しています。用具に関する話題なども豊富にブログで書いてます。