プルークボーゲンとプルークターンの違い、滑り方を解説 PR

今回はプルークボーゲンとプルークターンの違いを詳しく動画とイラスト、テキストを交え詳しく解説します。そして、2つの滑りが最終的にどのように進化するかも解説します。
結構、この2つの「八の字ターン」の違いを知らない人が多いので今回取り上げます。
この記事はこんな方におすすめ
- プルークターンとプルークボーゲンの違いがさっぱりわからないという方
- 2つの滑りの違いが技術的にどこがどう違うのか知りたい方
- スキーの安全な滑り方、カービングターンを習得したい方
- プルークボーゲンとプルークターン(滑走プルーク)の滑り方を知りたい方
こんな方にはきっと役立つ情報かと思います。
なお、滑りは全日本スキー連盟(SAJ)指導員・準指導員検定向けの滑り方ではなく、一般知識としての解説となり、私なりの「1つの上達法メソッド解説」なのでそこはご理解ください。
プルークターンとプルークボーゲンって何が違うの?

結論から言ってしまうと違いはこんな感じです。


さらに細かく説明すると以下の通りになります。
- スキー初心者にはこちらがおすすめ
- カービングではない
- 雪煙が舞う
- 両スキーの板を共に内側に傾けて滑る
- 完全外足荷重(外側の足に体重をかけ、内側の足には体重を乗せない。割合は外スキー10、内スキー0くらいでもOK)
- テールは雪を押し出す、削るイメージで滑る。いわゆる「ずらす」滑り方(ズラす=ブレーキ。つまり雪煙が出る滑り方を指す)
- スピードが出ない安全重視形
- 転倒しにくく、アイスバーンでもコブも滑れる安定感抜群な滑り方の基本形
- 全日本スキー連盟(SAJ)的に言うと、ベーシックパラレルターン(ずらす)初心者向けの練習になる。
- 足を揃えて急斜面を滑れるレベル以上の人におすすめ(理由は2番)
- ボーゲンと比較し、スピードが出る(カービングターンに仕上げる)
- (2番の理由は)ずらす滑り方ではないので、雪面抵抗が少ない(雪煙があがりにくい)
- 両スキー板を共に傾けるのではなく、外スキーだけを傾けるイメージ
- ボーゲンとは違い、内スキーに少し乗り、荷重の割合は内スキー4、外スキー6くらいになる。結果、ボーゲンよりは内倒しやすく、転倒しやすい。(凸凹に弱い)
- コブやアイスバーンではリスクが高い滑り方(整地向け)
- 外スキーは板のトップ(先端)からテール(うしろ)まできちんとサイドカーブを使う(エッジを立ててカービングターンをする)
- 全日本スキー連盟(SAJ)的に言うと、パラレルターン(カービングターン)初心者向けの練習になる。
だいたいこのくらいの違いがあります。
大きく真っ二つに分けるとすれば
プルークボーゲンはカービングではない滑り方、プルークターンはカービングターン
と覚える方が理解しやすく飲み込みが早いかと思います。(スキー理論で考えると混乱する人多いかと思うので、ここではシンプルに分けてしまいます)
これが検定レベルで見るとこんな分け方もできます。
- 級別バッジテスト1級まではプルークボーゲンの外足重視の荷重動作だけでも合格できる
- 逆にプライズテスト(テクニカル・クラウン)はプルークターンを使ったカービングターン練習はやって損はない。
といった分け方ができるわけです。
どちらも最終的には上級者にとっては必要な技術であり、どちらも使います。
これはアルペンスキー競技にしても同じです。(アルペンではズラす滑りは基本しませんが、ポールセットによってはオプションテクニックとして使います)
ですが、これはあくまでも個人の意見ですが、プルークターンは1級レベルになってからでも十分と私は考えています。
きちんとした外足荷重ができない人はプルークターンは不安定感が増すので個人的には
スキー始めたばかりの人はまずプルークボーゲン→シュテムターン→パラレルターンという順番がおすすめ
という認識です。
というわけで、具体的にそれぞれの滑りがどんなふうに基礎から応用(上級者)へと変化していくのかを分けて説明していきます。
プルークボーゲンの滑り方

滑り方は以下の通りです。
プルークボーゲンの滑り方
- 両スキーをV字に傾けて滑る意識(下記の写真参照)
- 決定的な違いは外足(外側のスキー)でずれ幅が出たり、雪煙が出る。
- プルークターンに比べ、圧倒的に外側の足に体重をかけて滑る外足荷重の滑り方
となります。

スキー初心者で
- 曲がり方
- ゲレンデの凹凸で不安定にならない安定した滑り方
を教えるときに外足荷重を教えますが、それがこのプルークボーゲンです。
このターンはスキーの様々な基本技術が詰まってるので、プルークボーゲンを怠るとパラレルターンも変な滑り方になるので、しっかりとマスターしておきましょう。
詳しい内容、画像や滑り方は下記の動画にあります。
プルークボーゲンだけを覚えると上級レベルの滑りになった時どうなるのか?

滑り方の最終形としてはこんな感じで、具体的にはSAJスキー検定1級レベルまでの滑り方となります。
写真を見ての通り、2級小回りも1級小回りも
雪煙が舞ってる
のがわかるかと思います。
これを動画で見るとこんな滑りの違いになります。
プルークボーゲンの最終形はこんな感じ
再生後、4分から1級と2級の検定種目、ベーシックパラレルターン小回りの比較動画が出てきます。(滑りはザックリしてるので参考程度でご覧ください。)
パラレルターンに「ベーシック」とついてるのは「基礎」という意味があります。
スキー業界では「基礎スキー」と「競技スキー」と誰が分けたか知りませんが、わかりやすいのでこの2つの言葉を使いますが(^^;)、基礎スキーとは
「横滑り」
の意味があります。(こちらのP71参照)
つまり、
ズラす(ザザザっとテールだけ、またはスキー板全体を横向きにする)
という滑り方です。

左がボーゲンの最終形、右がプルークターンの最終形(と言ったら変ですが)といった感じです。
行き着く先がここであり、順番的には
- プルークボーゲン
- 急斜面で足を揃えて滑れるようになったらプルークターン
という順序の方が多くの人にとって無難な覚え方でしょう。(ズラす滑りの方が安全なので)
もちろん、個人差があるので飛び級で、いきなり
「プルークターン→カービングのパラレルターン」
という順番で覚えていくセンスのある人は両方同時に覚えていっても良いので、あなたの運能能力にあった覚えた方で構いません。
ただ、私がスキー場でレッスンを結構見かけますが、上記でも書いた通りプルークターンをスキー初心者に教えてる人は見たことがないです。
プルークターンは準指導員・指導員以外にカービングターンを覚えたい初心者向けの低速練習方法でもある

上記の写真はカービングターン大回りの一例ですが、雪煙が舞っていないのがわかるかと思います。
また、スキー板の後ろから2本のライン(線)が出てるのがわかるかと思います。
このラインが出る滑り方がカービングターンです。
こちらの動画は
- 動画冒頭でスキー板を真横にする90年代まであったウェーデルン風の小回り(本当のウェーデルンは下の動画)
- 再生後4分17秒からカービングターンの初心者向け練習
が出てきます。
これも1つの練習方法ですが、どちらかといえばアルペンスキー選手の「ずらさない滑り方」の初期段階の基本練習となります。
ちなみに本当のウェーデルンはこちらです。
こういった滑り方の違いを知ったところで、連続写真で低速でのプルークターンを解説します。
プルークターンの滑り方

この時点で両スキーからはラインが出てない状態にします。滑走面、スキー板がフラット(平ら)の状態


内足からラインが出ていないのがわかるかと思います。内スキーは滑走面、スキー板をフラットをキープするイメージで滑る。

外スキーのラインが消えてます。
といった流れでターンするのがプルークターンです。
特徴としては
- カービングターンというものがどういった滑り方なのか外スキーで体験できる
- 低速できるので、カービング初心者でも「ずらさない滑りとは何なのか?」を理解しやすい
といったメリットがあります。
ちなみに両足荷重もあり、実際にカービングターンで滑ってる映像が下記にあります。
再生後6分3秒にある右側の滑りです。両スキーからラインが出てるのを確認できます。
写真で見るとこんな感じです。

高速になるとこんな感じです。
カービングターンを身につけたい人、ズラす滑り方しか知らない人はぜひプルークターンも練習してみてください。

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この記事を書いた人 Wrote this article

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スキーは楽しくゲレンデで安全にみんなが楽しめればそれで良いと思います。ただ、検定やアルペンなどは最低限やるべきことがあるので、ブログとYouTube、Xでそれぞれ細かくお伝えしてます。アルペンW杯・冬季五輪速報はXでやってます。スキー下手くそなので日々勉強中したことをシェアしてます。