正しいパラレルターンの体の向きとは?正対・外向・内向姿勢とは?アルペン、スキー検定1級、2級、3級では求めらる技術が全部違う。
今回のパラレルターンの話は「体の向き」がテーマです。上半身の向きは正対、外向、内向の3つがあり、それぞれに長所と短所があるので、スキー用語の意味も含め詳しく解説していきます。
上記の写真の通り、スキーでパラレルターンする際に体の向きで悩まれる方が結構多いです。
特にシュテムターンやプルークボーゲン(八の字)からパラレルターンに挑戦する方はイメージが先行し、下記のイラストの右側の滑り方になってしまう方が非常に多いです。
まずスキーのパラレルターン時で使う、上半身の動きにおける3種類の特徴を説明します。
スキー初心者の方にとって「外向」「内向」「外向傾」とかいろんな言葉があってよくわかんないですよねぇ・・・。外向傾とかはまた別の機会に解説予定です。そのうちスキー用語大辞典に掲載します。
パラレルターンの体の向きはどうすれば良いか?
まずパラレルターンの上半身の体の向きは何が正しいのか?
それは目的やレベル、状況によって変わります。気にすべき人は上級者ですが、レーシングの世界でもあまりこの点は言われないです。(外向傾・くの字姿勢は言われた)それでもみんな上手くなります。基礎スキーの世界の方が言われるかも・・・(見栄えも重視する世界なので)
初心者はまず正対で十分です。(というか、上体の向きをそんなに気にしなくてもパラレルターンできるので)
パラレルターンにおける3つの体の向き。メリット・デメリットを知る
- 正対とは(大会出ない人はこれで十分):これはスキー板の方向と自分の胸(上半身)が同じ方向を常に向いている状態。初心者はこれで十分ですですし基本形です。長所は内向・外向どちらにも体重を移動できるニュートラルな部分であること、短所は雪面から凹凸に弱く、ショック吸収に欠けてることやターン後半の加速などが少ない点です。仮に外向、内向になってもターンとターンの間に正体になるのがほとんどですが、アルペンスキー選手は素早い動きが求められるので、正対の時間が最も短いです。(アルペン選手やモーグル選手はタイムが絡むので、ほとんど上半身がフォールライン向きっぱなしと言っても過言ではないです)逆に基礎スキー検定の場合、一旦スキー板をフラットにする時間を作らないといけないので、必ず基礎スキーは正対の時間があります。
- 内向姿勢とは:スキー板の向いてる方向に対し、上半身の向きが内側を向いてること。長所は内傾角を作りやすい、ライン修正などに便利。例えばアルペンスキー選手の滑走ラインが下がった時、スキー板の先端のエッジを噛ませ、サイドカーブを使って上にライン修正する際に意図的に内向にする時があります。また、フリースキーでC字気味かな?と思い、S字にライン修正する時も使ったりしたことがあります。デメリットは内倒での転倒リスクがあること、バランスが取りづらい、場合によっては雪面からの反発力を活かせないといった短所もあります。ただし、注意点としては内向を意識して内傾角を作る際はスキー板をおいていくような滑り方はシェーレンや内倒の原因となるので、あくまでもスキー板がついてきた状態でターン後半の加速に使うことです。2024年のスキー技術選では内向から内傾角を意識した選手が、緩んだ雪の大回りで内倒し減点した選手もいましたね。
- 外向姿勢とは:上級者の基本形。(全部組み合わせる人も)スキー板の方向に対し、外側に上半身が向いてること。メリットとしては雪面からの反発力を最大限もらえることで加速すること、雪面からのショック吸収に優れてるのでアルペン選手がゼッケン後半の荒れた状態でも普通に滑ってこれることです。またエッジを立てやすいという長所もあります。一方、デメリットとしては外足に体重が乗る分、アルペン競技だと外足に乗る時間が長すぎて次のポールへの準備が遅れたり、ターン弧が溢れたりしてタイムロスになるリスクもあります。しかし、スキーの基本は外足荷重なので、外向から入っていく方が無難にこなせることが多いです。(外向が強すぎると変なシルエットにもなるので注意。スキー検定の場合、不整地は問題ないですが、整地だと減点になることもあるでしょう。)
初心者はまず難しいことを考えないで、ひたすら正対を意識するくらいで十分でしょう。
ストックをついて外足荷重ができれば、パラレルターンになる人は多いはずです。
技術選、アルペンスキー選手の理想型はどんな体の向きか?
では上級者や選手レベルの人はどんな体の向きを意識して滑ってるのか。
次に「上級者の滑り方」を体の向きで解説します。