プロスキーヤー年収ランキング&稼ぐ方法

プロスキーヤー年収ランキング&稼ぐ方法

プロスキーヤーの年収ランキングやジャンル別の稼ぐ方法を解説しています。

音声で聞けます。ラジオ感覚でどうぞ。

結論:大事なのは「年収」ではなく「いくら残すか」

先に結論から言います。

日本で「スキーだけ」で生計を立てているプロは、ほぼいません(・・;)。

そして本当に大事なのは、年収の大きさではなく、いくら手元に残すかです。

年収1億円でも、浪費してしまえばお金はあっという間になくなります。逆に年収200万円でも、毎年きちんと貯める人は、結果的に数千万円を残します。バケツにいくら水を注いでも、底に穴が空いていれば貯まらない。

稼ぐ力より、残す能力。

今日の話は、この前提を頭に置いて読んでいただけると、腑に落ちやすいと思います。

  1. そもそもプロとは何か
  2. トップ選手はどう稼いでいるか
  3. ③僕たち一般のスキーヤーが現実的に選べる道
  4. その裏側とキャリア設計

そもそも「プロスキーヤー」とは何か?

「プロ」という言葉の線引きは、意外と曖昧です。

僕の感覚では、アルペンのワールドカップで第一シード(15番以内)に入ってくる選手なら、これはもう正真正銘のプロと言っていいと思います。この水準になるとメーカー収入も大きく、スキーだけで食べていると言っても過言ではありません。

一方で、それ以外の多くの人は「スキー関連の仕事」で生計を立てている、というのが実態です。

賞金だけで一生分を稼ぐ人はごくわずか。というのも、スキーは用具代や遠征費といった経費がとにかく大きく、賞金やメーカー収入があっても手元に残るのはそこまで多くないと思われます。

なお、2028年には新しい大会枠として FIS Games が始まる予定です。ここを起点に、今後スキー界のプロ化の流れが変わる可能性はあります(推測)。ただ、現状の構造は当面続くと僕は見ています。

トップ選手の収入は「7つの層」でできている

稼いでいる選手の収入源を整理すると、だいたい次の7つに分かれます。

  1. 大会賞金 ―― ワールドカップなどの賞金。ただし最高額でも上限があり、多くの選手に分散しがち
  2. メーカー・スポンサー収入 ―― パーツ契約など。ここが最大の収入源になりやすい
  3. 実業団の給与 ―― 所属して安定を得る形。競技に専念しやすい
  4. CM・広告 ―― 露出のある選手は1本で高額になることも
  5. 講演料 ―― 1回あたりの相場は幅が大きい
  6. 印税 ―― 本やDVDから。時間とともに逓減しやすい
  7. 物販・自社ブランド ―― 受注生産や工場提携で、自分の商品を持つ

ポイントは、単一の収入ではなく、複数の層を重ねて成り立っているということ。そして、その中でも大きいのがメーカー・スポンサー収入です。これがどれだけ大きいか、世界最高峰の例で見てみましょう。

実例:世界2位の稼ぎでも、賞金はごく一部だった

フリースタイルスキーの谷愛凌(グー・アイリン)選手を例にします。

2024年の推定総収入は、およそ 2,210万ドル=約34億円。女性アスリートの収入ランキングで2〜3位に入り、1位はテニス選手でした。

ここで注目してほしいのは、そのうち競技の賞金は約10万ドルにすぎないという点です。残りはほぼ全額がスポンサー収入。つまり世界最高峰でさえ、賞金で稼いでいるのではなく、「価値を売る」ビジネスになっているわけです。

これは、後で話す「発信」や「ブランド」の重要性と、まっすぐつながります。「賞金で一生分」ではなく「自分の価値を届けて対価を得る」――スキーで食べていくことの本質が、ここに表れていると思います。

アルペン・実業団・基礎スキーの現実

以下はアルペンや基礎の話です。

アルペン ―― 稼げる世界。だが“経費の壁”が高い

アルペンのトップ選手は、億単位とも言われます。

ただ、私がむしろ強調したいのは経費です。遠征の航空券・滞在費・用具代……。そもそも稼ぐ力がないと、参戦の土俵にすら立てません。

実家が裕福なだけでも続きません。以前、世界を目指す年収3,000万円クラスの選手から相談を受けたことがありますが、それでも「足りない」という話でした。

手元の額と、世界で戦うのに必要な額は、まったく別問題なんです。だから多くの選手が、どこかでプロ転向か実業団を選ぶことになります。

実業団 ―― 安定を得る道。ただし制度は要確認

実業団は、給与と強化費で競技に専念できる、堅実な選択肢です。

ただし、所属する会社によって勤務時間がかなり変わってきたりします。9時から練習できる会社もあれば、午後から、3時から練習というところもあります。

契約内容次第では、契約終了と同時に退社または雇用継続の両方があります。

基礎スキー ―― 「ワッペン+本業」の二刀流が普通

基礎スキーの世界ではスキーだけで生計を立てている人はほぼいません。監査、農家、大工、スクール経営……。夏は別の仕事、冬はスキー、という形が多い。インストラクターで年収700万円という声も聞きますが、これは例外的で、しかも経費(車・ガソリン・遠征・保険・税)を引くと、手元に残る額は見た目ほど大きくありません。

ただ、動画では言いませんでしたが節税で上手にお金を残してるパターンもあるかと思うので、こればかりはピンキリとしか言いようがありません。

噂ではネット○ークビジネスをしてる選手もいたりする噂を聞いてるので、名前は言えませんが台所事情は結構厳しいのではないかと予想しています。

正直、人によりますね。

サラリーマンでもできる現実的な道:YouTube × ブログ

この記事を読んでいる多くの方は、たぶん一般のスキーヤーだと思います。トップのプロを目指すというより、「スキーに関わって、いくらか収入を得たい」。そういう方に、私が現実的におすすめするのは

YouTube とブログです。

1級前後の実力と発信力があれば、スキー関連の収入は十分に狙える領域です。しかも、CM・講演・印税といった収入と違って、動画や記事は「ストック」になる――ここが決定的に大きいのです。

収益の「目安」を知っておく

まず、ざっくりした相場観を持っておきましょう(数字はいずれも目安です)。

手段収入の目安補足
YouTube広告1再生あたり 0.05〜0.5円登録者1,000人+直近12か月の総再生時間4,000時間で広告収益化
Google AdSense1アクセス ≒ 1円前後ブログの基本収益。ジャンルで単価が変動
サブスク1,000人に1人が加入するイメージ夏も入る安定収入。
アフィリエイト成果報酬(売れた分だけ)ニッチで専門的な情報ほど強い

ざっくりした言い方をすれば、グーグル関連はアクセス数で決まり、アフィリエイトは上位表示されたら売れるというイメージでSEO対策が重要となってきます。

権利収入という考え方 ―― 作品は増え続け、腐らない

私がなぜ動画や記事にこだわるかというと、作品はずっと積み上がっていくからです。

腐らないし、作るほど資産が厚くなる。過去の作品が働き続けてくれるので、雪上に立たなくても収入が入る余地が生まれます。

一方、現役選手は「自分が商品」です。

怪我や成績で価値が下がれば、収入もどうなるかわかりません。それに対して、発信は「仕組みが働く」構造にできる。広告収入はドル建てで入るので、円安局面でも収入面ではマイナスになりにくい、という副次的なメリットもあります。

また作品は再利用でき、プラットフォームを移すこともできるので、1か所への依存を避ける設計が、そのままリスク低減になります。

その正体は「個人事業主」―― 全部、自分でやる

ただし、いいことばかりではありません。「プロスキーヤー」と言えば響きはいいですが、正式に言えば個人事業主です。

営業、マーケティング、市場リサーチ、経理、税金――基本的に、これを全部ひとりで回します。加えて、動画なら撮影と編集、ブログなら執筆。つまり、スキー以外の仕事をいくつも覚えなければいけないということです。

動画1本 = 20時間。しかも最初は収入ゼロ

動画は、いきなり作りません。当たる人は、この順番で進めます。

  1. 企画・リサーチ ―― 需要と供給を先に調べる。強い競合がいる領域は避ける
  2. 機材選び ―― PCは16GB以上が目安。カメラや編集環境を整える
  3. 撮影許可・撮影 ―― スキー場や役所に撮影許可を取ってから撮る
  4. 編集 ―― ここが最も重く、1本に20時間ほどかかることもある
  5. 公開 ―― 当たる保証はない。100再生ということも珍しくない

そして忘れてはいけないのが、収益化の条件を満たすまでは1円も入らないということです。

ブログも同様です。

あなたはタダ働きできますか?

社会はパブロとブルーノを見るとよくわかりますが、このような社会構造になってるのです。

ブログは「執筆業」―― 当たらなければ、育てる

ブログも考え方は同じです。まず市場リサーチで、上位表示を狙えるキーワードを見極める。AIには見出しの「下書きの当たり」を取ってもらいますが、丸写しはしません。あくまで参考値です。

そこから自分の言葉で5,000〜10,000字を書き、推敲して公開する。当たらなければ、データを見て修正します。

記事はストックですし、動画と記事はお互いに再利用できます。作るほど、土台が厚くなっていく。これが、腐らない資産を持つ強みです。

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キャリア設計と、業界の逆風

プロスキーヤーという仕事は一生安泰というわけではないです。

現実的な話もしていきます。

なぜプロを辞める人が多いのか

一つの競技に集中すると、尖れる代わりに、引退後に一歩外れると選択肢が細くなりがちです。

元プロが公務員や教員として安定を選ぶ例も、珍しくありません。結婚して家庭を持つと、安定の価値はさらに上がります。

だから若い方には、仮にプロになっても、一度は就職しておくことをすすめます。

20代で一度でも現場を経験しておくと、職務経歴が書ける。畑違いの仕事に転身するときの後ろ盾になります。食いっぱぐれにくい資格を一つ持っておくのも、年齢を重ねてから効いてきます。

人生は、右肩上がりばかりではありませんから。

スキー業界は、構造的な逆風の中にある

正直に言えば、スキー業界そのものが逆風の中にあります。

  1. 温暖化 ―― 将来は標高1,000m超の場所しか雪が残らない可能性も指摘されています。
  2. 物価高 ―― 用具・遠征費に加え、老朽化したリフトの更新コストも重い。価格上昇は、当然ながら客足に響きます
  3. 少子化 ―― 競技人口が減少し、インバウンド依存の是非という新しい論点も生まれています

こういう環境だからこそ、「食いっぱぐれない設計」が要ります。

スキーは、極論すれば贅沢品です。

だからこそ、稼ぎ方も、守り方も、きちんと設計しておく必要があると思うのです。

プロスキーヤーを目指したいと思う人はよく現実を考えて行動してくださいね。

世界のプロスキーヤーの年収ランキング

*推定“年収”(スポンサー込み・総収入)

選手種目推定年収内訳・備考
谷愛凌フリースタイル約2,300万ドル2025・フォーブス/女性4位。ほぼ全額がスポンサー収入
Mikaela Shiffrinアルペン約500〜700万ドル/年うちスポンサー約300万ドル。賞金より多い

*1レースあたりの賞金

種目1レースの原資勝者取り分配分
アルペン約€167,619約€54,709上位30人
クロスカントリーCHF 55,000CHF 15,000上位20人
フリースタイル/SBCHF 30,000CHF 13,500上位10人

出典:FIS。スキークロス等はトップ選手でも年間賞金10万CHF未満が普通。

*【男子】2024-25 W杯 年間獲得賞金 ベスト10

順位選手賞金(CHF)参考(円)
1Marco Odermattスイス725,640約1.3億円
2Loïc Meillardスイス376,550約6,800万円
3Franjo von Allmenスイス327,750約5,900万円
4Henrik Kristoffersenノルウェー304,000約5,500万円
5Clément Noëlフランス279,500約5,000万円
6Atle Lie McGrathノルウェー239,690約4,300万円
7Alexander Steen Olsenノルウェー196,600約3,500万円
8Justin Murisierスイス191,225約3,400万円
9Raphael Haaserオーストリア189,425約3,400万円
10James Crawfordカナダ170,200約3,100万円

出典:FIS/SnowBrains(2024-25シーズン)。参考(円)は1CHF≒180円の概算で、為替により変動します。

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