低速で覚えるプルークターンカービング練習方法


今回は以前動画で説明した内容でも難しい人向けに低速でのカービングターン練習方法を解説します。
前々回の動画では、カービングターンのやり方を解説しました。ただ、「スピードが怖くて、どうしてもうまくできない」という声が多かったので、今回はその続きとして、低速でも練習できるカービングの入門編を紹介します。
「低速」といっても、止まりそうなほど遅いわけではありません。パラレルターンと同じか、少しゆっくりくらいのスピードです。これなら雪煙も上がらず、ほぼ平らな斜面でも練習できるので、「カービングってこういう感覚なんだ」というのをつかみやすいはずです。
前々回の内容は、どちらかといえば「スピードをとことん極めたいアルペン選手向け」でした。今回はそれとは違って、ゆっくりしたスピードでカービングを覚えたい人向けの練習法だと思って読んでください。
カービングの感覚を得るにはプルークターンがおすすめ
今回紹介する練習は、いわゆるプルークターンです。
ポイントはこの2つだけです。
- 荷重は内足4:外足6 くらいで荷重、内側のスキー板はあくまでもエッジをせず雪面と平にする位目0時で滑る。あくまでもメインは外足荷重で内足荷重をしない感じ。内足はあくまでもちょっと乗るだけ。
- 外側のスキーのエッジを立てるだけで(板を傾けて)、カービングを体験でき、かつ雪煙が舞うことがない滑り方のコツがなんとなーくわかる
ということがプルークターンで理解できます。
ただし、注意したいのが荷重のかけ方です。外足にしっかり体重をかけないと、前に進む力(推進力)が得られません。
だから荷重のベースはあくまで外足。外スキーをセンターポジションで立てれば立てるほど、ターンは自然と内側に入っていきます。この感覚は、技術選に出るようなうまい人たちが使っている感覚とつながっています。
すべての土台は「センターポジション」
実は、カービングができない一番の原因は、ほとんどがポジションにあります。プルークターンも、前々回の真っ直ぐなターンも、共通して大事なのは
「センターポジションに乗れているかどうか」
です。
センターポジションとは上記の動画を見ればわかりますが、簡単に言うと

その場でジャンプしたとき、一番高く飛べる楽な姿勢
です。
具体的にはブーツの真上に、リラックスして乗っているイメージです。これはレベルに関係なく、ワールドカップ選手まで共通する基本ポジションです。
怖いと、どうしてもお尻が後ろに下がって、スキーの先端に力がかからなくなります。これが「後傾(こうけい)」と呼ばれる状態で、板の先端が浮いてしまい、転倒やケガにつながります。だからこそ、まずは真ん中にしっかり乗ることが大前提になります。
もう一つの鍵「外足荷重」
センターポジションと並ぶもう一つの鍵が、外足荷重です。
しっかり外足に乗れれば、スキーは驚くほど簡単に曲がってくれます。スキーは「センターポジション」と「外足荷重」がワンセットだと覚えておいてください。
「荷重」という言葉が難しければ、こんなふうにイメージしてみてください。

- その場で立つ
- 体を少し右にひねり、右肩を下げると右ターン
- すると、右側の腰のあたりに「グッ」と圧がかかる
この「腰の右側に圧がかかった感じ」が、右外足荷重の感覚です。左肩を下げれば、今度は左の外足荷重になります。これなら自宅でも感覚をつかめるので、ぜひ試してみてください。
逆に、ここからさらにお尻を下に落とすと後傾姿勢になり、転倒につながります。「センターポジションはこのあたり」という感覚を、体で覚えておきましょう。


なぜ低速だと内側に倒れてしまうのか

ここで一つ、大事なポイントを補足します。
高速で滑っているときは、内足が3や4くらいになっても、不思議と内側には倒れません。
これは、ターンのときに体が傾くと「バンク(傾いた壁)」のような状態ができ、そこに遠心力で乗っていけるからです。
スピードがあるからこそ、倒れずに回れるわけです。

ところが、スピードがとても遅いと遠心力が働かないので、内足に乗った瞬間、簡単に内側へ倒れてしまいます。これがカービングがうまくいかない五大原因の一つ内倒です。
つまり、スピードが怖い人もどこかで必ず「スピードの壁」にはぶつかります。
それでも、まずはカービングの感覚だけでも知りたい——そんな人にこそ、このプルークターンがちょうどいい練習になるのです。
練習の進め方(ステップ)

おすすめの練習の流れは次の通りです。
- 前々回の動画の 真っ直ぐなカービングターンから始める
- うまくいかなければプルークターン(足を開いた形)で感覚をつかむ
- 慣れたら徐々に板をずらさないまま足を平行にしたままパラレルにしていく
- 少しずつターンの横幅を大きくしていく
なぜ「真っ直ぐ」から始めるかというと、スキーは横に移動するほど難易度が上がるからです。
真っ直ぐなターンはどんなレベルでも一番簡単。とくにアルペンはポールとポールの間隔が短いぶん難しく、基礎スキーから競技に転向しづらい原因にもなっています。
だからこそ、まずは真っ直ぐから覚えるのが近道です。
絶対条件は「内足に乗らない・内側に倒れない」こと。
もし内足に乗ってしまうクセがあるなら、外足荷重を鍛える別メニュー(片足で滑る、両手にストックを持って内足を上げて滑る、など)が必要になります。
スキーうまい人ほど「基礎」に戻る

センターポジションと外足荷重——この2つさえマスターすれば、あとは板を傾ける(角付けする)だけで、自然とカービングターンになります。
極端に言えば、この2つを徹底的に練習するだけで、1級くらいなら受かってしまうほど大事な要素です。
そして覚えておいてほしいのは、うまい人ほど基礎に戻るということ。
失敗したら基本に立ち返る。
これはワールドカップ選手やナショナルチームでも同じで、トップ選手がひたすらストックのつき方を練習することもあります。かつて佐々木明さんのDVDでも、日本のトップチームがそうした基礎練習に取り組む姿が紹介されていました。それくらい、基礎は大事なのです。
基礎が固まって、初めて応用に進めます。モーグル、アルペン、バックカントリーといった「応用スキー」は、しっかりした基礎の上に成り立っています。アンギュレーションのような細かい技術も、正直なところ上級者になってからでも遅くないです。
まとめ
カービングターン(別名:レールターン)の本質は、とにかくテールを横にしない滑り方 です。
そして、それを支えているのは特別な才能ではなく、
- センターポジション(ジャンプして一番高く飛べる姿勢)
- 外足荷重(腰の左右に圧をかける感覚)
この2つの「基礎」です。
スピードが怖い人は、まずプルークターンから感覚をつかみ、少しずつ足を揃え、ターンの幅を広げていきましょう。
毎日コツコツ続けることが、安定したカービングへの一番の近道です。
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